伊勢志摩ライナーに乗車して志摩半島まで行ってみましたので、お伝えします。
旅は大阪上本町駅から
ホテルをチェックアウトしてホテルの外観を撮影した後はすぐに改札に向かいます。上本町駅は旅行者からすると地下駅というイメージが強いのですが、地上にもホームがあります。個人の感想で言うとリスボン駅に似ているように感じもします。
リスボンであれば駅の横にケーブルカーがあったりするのですが、リスボンに行ったことを想起してしまいました。
黄色い23000系
そして、いよいよ23000系が入線であります。伊勢志摩ライナーは1994年3月15日から運用されていますが、その当時を思い起こさせる黄色の編成でした。
今回はデラックスカーに乗車しました。賢島行きの場合は最後尾となります。優等席は普通は階段の近い真ん中とか設定されますが、近年はそうでもないため、端まで歩きます。
シート配列は1-2配列であり、ベージュ系のおとなしい色彩でまとめられています。
デラックスカーの隣にはサロンカーであり、レギュラーシートからサロンカーとデラックスカーにそれ以外の乗客が導線しにくいため、結構静かであります。
と言っても、1号車と6号車を逆に捉えていた人などは停車駅前後ではよく見ました。


シート自体はそんなに新しくない形状ですが、コンセントは一席にひとつあるため、デジカメやスマホの充電にはちょうどいいところであります。
偶然なのか不明ですが、床は鬼滅的であり、同列車からインスピレーションがあったのかもしれません。
志摩ということで、切妻には真珠装飾品があります。大江戸線の駅にあるオブジェと比較する何となく合理性を感じます。
お隣の号車のサロンカーに行ってみます。なんとなくリゾートしらかみのコンパートメント席にも似ている感じがします。どちらが先かわかりませんが、こちらの方がスタイリッシュというかと快適な感じがします。
基本的には1-2配列で配列されているため、片面が通路という事はなく、2時間前後の移動手段として作られているように感じます。
近鉄線の快適さを感じる線路
今回乗車した伊勢志摩ライナーは近鉄特急7103であり、同社のフラッグシップ列車である、ひのとりと比較すると停車駅が多い列車でもあります。
始発の大阪難波を出発すると大阪上本町、鶴橋、大和高田、大和八木、榛原、名張、伊賀神戸、榊原温泉口、伊勢中川、松阪、伊勢市、宇治山田、五十鈴川、鳥羽、志摩磯部、鵜方、そして終点の賢島となっています。
榛原駅あたりまでは住宅地が多いのですが、同駅を過ぎ、名張駅に停車の後は人里離れた気配があるとともに、近鉄大阪線の線形の良さと快適さを感じられる場所でもあります。
新幹線と同じ標準軌であるのも効果はあると言えますが、京王線や京成線と比較してもやはり快適であり、鉄道事業者として芯がしっかりした思想があるとさえ感じてしまいます。
鈴鹿山脈が見え、徐々に人里が見えてくると大阪線もそろそろ、終わりが近づいてきます。去年は伊勢奥津から名張まで途中歩いたりしたものですが、なんかいい経験でした。
榊原温泉口に停車すると次は有名な伊勢中川駅であります。ヤシみたいな樹木がある同駅は温泉口というくらいなので次回は滞在してみたいところであります。
なんとなく、下っている感じもあり、関西から中京に移動してきた感じも感じるところでもあります。JRの関西本線は時間もかかり、走行箇所が河川近くという事もあり、乗車していると次はどうなるのかという落ち着きのなさがありますが、近鉄ではそうした事もなく、目的地に着々と向かっている雰囲気は圧巻であります。
そして、伊勢中川駅手前で名古屋方面への短絡線が見えます。名古屋に急ぐわけでもない(そういう人は新幹線利用すると思いますが)ので、落ち着いて構造を見ることができます。
伊勢中川駅を出発の後は三重県内主要駅(松阪、伊勢市)に停車してきます。デラックスカーは車端の6号車に存在するため、最後尾のパノラマデッキからパノラミックな景色が楽しめます。
車掌さんがいるとちょっと気まずいですが、業務で他車両に行っている間はシャッター切り放題であります。
運転席とパノラマデッキにはガラスがありますが、映り込みが少ないため、夜景フードみたいなものも必要ありません。
上本町から乗車して一番大きな河川である宮川を渡るとまもなく、伊勢市駅に到着です。
伊勢市駅に到着です。伊勢市駅を過ぎるとカーブのきつい線形となり、ゴワゴワ唸りながら、ゆっくりゆっくりと賢島に向けて進んでいきます。
鵜方駅からは横山展望台に
伊勢志摩ライナーの終点は賢島駅ですが、その一つ前の停車駅である鵜方駅で下車します。ここから、横山展望台を目指します。
本来は志摩横山駅の方が展望台には最寄でありますが、伊勢志摩ライナーは同駅に停車しないため、鵜方からタクシーで向かいます。
また、鵜方駅は志摩スペイン村へのアクセス駅でもあります。
鵜方駅からでもタクシーは10分もかからず到着するため、絶景を堪能できる割には時間がかからないのでお勧めと言えます。
展望台はここから530m程登ったところにあります。530m登ったところには車でも行けますが、人気なのか満車であり、その場合は石を登ることとなります。
と言っても、タクシーの場合はこの石段を登らなくても上まで連れて行ってくれます。鵜方駅からは1,400円弱と意外と安く感じました。
展望台はリニューアルされており、ウッドデッキの遊歩道となっています。ここからは5分もかからないで展望台に到着します。
九十九折の遊歩道は結構な斜面に整備されていますが、傾斜がきついという事はなく、景色を楽しみながら安心して進むことができます。
展望台からの景色であります。リアス式の海岸線と水平線と広い空がぐっと目に飛び込んできます。
展望台は2段構成となっており、眼下が崖であり、これ以上は前に進めないデッキとカフェであるミラドール志摩が入った建物があります。この建物の二階は展望スペースとなっており、そこからの景色が楽しめます。
レンズ次第ではリアス式海岸を色々と楽しめる場所でもあります。
帰りは運動も兼ねて横山駅まで歩いてみます。ほぼ下り一方で、冬という事もあり、体が温まるくらいであり、丁度いい運動であります。
25分程で志摩横山駅に到着であります。今回は賢島方面に向かいます。無人駅でありますが、交通系ICの入場と出場の装置があるので、不便もありません。私鉄の雄だけあり、こう言ったところもきっちりしています。
賢島までは普通列車で7分とあっという間の旅程であります。
最後に
伊勢志摩ライナーが初めて運行された頃にJTB時刻表の表紙と巻頭の特集で同列車の特集が掲載されていたことを今でも覚えています。
外観は黄色と白色ツートンで座席はサロンカーなど多様な種類があり、私鉄(もうその当時は日本全て私鉄でしたが)私鉄特急の凄さを感じたところであります。
あれから四半世紀が近くたとうとしていますが、そんな中でようやくどっぷりと実車しましたが、過去に抱いていたイメージにオーバーラップするところがあり、満足でした。
三つ子の魂や多感な時期の自分の記憶を覚醒させて、旅をしてみるのはとても価値があるかもしれません。