JALとANAともに国際線が半分どころかその半分の4分の1さえ、稼働していない中で、余剰となっている国際線機材を国内線に割り当てており、通常では考えられない国内線移動が実現しています。そうしたなかで、今後の展開を考えてみました。
JALはクラスJ、ANAはプレミアムクラス
国際線機材を国内線に投入するにあたり、JALは国際線でファーストクラスの設定がある機材を国内線に投入する場合でも、最上位クラスはクラスJであります。
プラス1,000円でJALダイヤモンド会員などは国際線ファーストクラスシートに着座できるため、お得と言えます。
一方でANAは国際線ボーイング787-8型機では40席以上あるビジネスクラスの座席をそのままプレミアムクラスとして販売していたり、国際線ではフラッグシップ機材であるボーイング777-300ERのファーストクラスをプレミアムクラスとして販売したりとプレミアムクラス設定が多いと言えます。
利用者視点からするとシートだけでなく、食う、寝るが快適であるトータルの満足度は後者の方が強く、高いもののリピートは意外と多いかもしれません。
また、ロジ的に見ても40食以上の機内食を当時に用意する点や、CAさんが限られた時間で提供する算段などANAの方が融通は利く(無理して頑張っているのかもしれませんが)のかもしれません。
財務的にはJALは優れており、土俵の真ん中で勝負がモットーかもしれません。ANAの方が泥臭いものの、顧客視点ではいいサプライズが多く、楽しませてもらえるという点ではいいかもしれません。
石垣路線ではJALは躍起するものの、ANAは静観
最近になって、JALは羽田=石垣路線にJTA機材からJAL機材の772に期間限定で運用することを出しており、これはANAがISG向けに国内線787機材だけでなく、国内線772、さらには、国際線機材の787型機(78M)を導入しており、ようやく対抗しているようです。
一方で、そんな動きと需要の波をとらえてかANAは小型機メインにしており、盛り上がりの波が各社で違うようです。
石垣空港は両社とも自社運営ラウンジがなく、その辺が解決しないといくらいい機材を投入しても、なかなか満足感はないかもしれません。
そんなこともあって、ANAはリソースをほかの空港に割り当てて、静観していねのかもしれません。JALがこれからどれだけパフォーマンスをあげるか注目でもあります。
77Wの投入のインパクト
77W、すなわち、ボーイング777-300ERの国際線使用機材はこれまでも、成田⇔伊丹、羽田⇔関西、羽田=中部などで利用実績があり、国内線に投入されてもそれほど驚異的とは言えませんでした。
今回、国内線のボーイング777型機が思わぬ理由で、運航停止となったことで、77Wに出番が回ってきており、羽田⇔新千歳という、国内最頻路線での投入でしかも、週帯かしているところに今後の可能性もあります。
しかも、プレミアクラスはこれまでの路線で培ってきた応用であり、JALも恐々としているのかもしれません。
今後、福岡や沖縄に応用されるかがポイントでもあります。
リーサルウェポンA380を羽田で使うのか
現在、A380は成田空港がメインであり、関西空港でもSQが運航した実績があります。また、セントレアにもA380は飛来した実績があります。
搭乗客トータルの重さもありますが、少なくとも成田や関西は問題なさそうです。日本最プライムの羽田にて乗客を乗せて往復できるがかがポイントとなりそうです。
国内線需要からするとA380のフルスペック満席ほどの需要は少ないので、実現性はありそうです。また、巨大旅客機のため、同機離陸後に離陸した飛行機が乱気流の影響も考慮する必要があり、時間帯の影響もありそうです。
こうした中で、最終兵器としてA380を羽田で飛ばそうとすると、ギャラクシーフライトとして23時以降に沖縄に向かうのが妥結点となりうる可能性も孕んでいます。
乗客の満席は現実的ではないでしょうし、貨物の需要はありそうですし、沖止めとなっても、前後にほかの出発と離陸がないため、雇用と貨物の供給のカバーができそうです。
目下、JALに押されがちなANAですが、JALにはない機材であるA380を国内線に投入することはインパクトがありそうです。
最後に
国内線のフライトは高々、1時間から3時間であり、寝てしまうとあっという間に過ぎてしまいます。
しかし、国際線機材となるとワクワクする楽しみがあり、寝るにしてもちょっと違う優雅さがあります。
こうした時代によって、国際線機材を手ごろな国内線で経験する機会があり、JALもANAも設備の効率運用の観点に加えて、サービス競争で国際線機材を積極的に投入しています。
安く広いシートに座りたいのであればJALであり、サービスを含めたプレミアム感であればANAであり、各社の個性が出ていると言えます。