新型感染症に伴う、史上まれにみる事態において、飛行機が飛ばない状態が続き、海外の航空会社やホテルグループでは今年度のステータスを延長するにか、日本流な特別対応について総括してみました。
たし算の後に掛け算はしない鉄則を破る
ANAとJALの特別対応を振り返ってみると両社ではその計算方法が違うことは今では当たり前となっています。
ANAでは通常のプレミアムポイントのあがり値を2倍にしたのに対して、JALでは搭乗ボーナス FLY ON ポイント(400ポイントが主流)を足す前を特別対応して、その後にたし算をする特別対応をしていました。
ANA特別対応=【(区間基本マイル×運賃倍率×路線倍率)+搭乗ポイント】×2
JAL特別対応=(フライトマイル×運賃積算率×FLY ON ポイント換算率×2)+ 搭乗ボーナス FLY ON ポイント
ANAの方がステータスポイントの計算ロジックを超えて2倍ということを実施しており、どんな運賃でも2倍均一感はとれていたとも言えます。わかりやすいのはもちろんですが、均一感を重視した結果かもしれません。
JALについては従来のステータスポイントの考え方に基づいており、運賃や搭乗回数によって差が出やすくなっていました。
軌道修正のないANAと社会情勢を鑑みたJAL
今回の対応において、リリースが早かったのはANAであり、数日後になってJALがほぼ同様の対応をリリースしています。
当初の区間は下記のとおりです。
ANA 2020/1/1~6/30
JAL 2020/2/1~7/31
予約期間はANAは終了日当日まで、JALは5月10日までとなっています。
ANAは2020年搭乗分はすべて遡って適用すると見えますし、JALは利用の多い1月を外したとも見えます。
JALには上級会員向けのステータスポイントの施策がリンクしているため、何とも言えませんが、新型感染症が最も恐怖感を与えた時期もあり、時期の違いは今となっては不可抗力なのかもしれません。
しかし、その後、JALは搭乗期間に変更はないものの予約期間を5月10日までという軌道修正をしてきます。
その時の情勢を見ての判断なのか、良くわかりませんが、一度出した施策に対して修正してきたのは間違いないと言えます。
一方、ANAでは特に変更もなく、期間全うで終了となる見込みです。まあ、ここで延長となれば、あまり批判的な言うことは少ないでしょうし、このまま終わっても当然と言う見方は多いかもしれません。
どちらの航空会社が良かった悪かったは良くわかりません。初志貫徹か臨機応変のどちらが良いか甲乙はありませんが、タイプに合った方を今後利用するのが良いかもしれません。
特別対応でメリットはあったのか
以上のように史上まれにみる対応をした両社ですが、これでメリットがあったのかなかったのか考えてみました。
ネットマイラー以前から存在するマイラーにとってはメリットであり、対象期間中に結構飛んだ人も多かったのかもしれません。
コスト面で見るとANA派の人にしてみれば半額であり、人気のプレミアムクラスは自粛で座席は取りやすく、JAL派においても半額までは行かないにしてもクラスJの掛け算効果も有ったりするので、飛ぶ人は飛んだと言えます。
その後、3月末に両社ともステータス延長を発表し、二倍対応の良し悪しを打ち消すように大半の人が納得していくこととなります。
未曽有の事態にほぼ搭乗できないと言うゼロ状態が続き、ゼロに2をかけてもゼロであり、ステータス維持に効果的ではなかったと言うことがわかり、ステータス延長を導き出したと言う点ではメリットがあったのかもしれません。
最後に
この対応について、絶賛する人、抗議する人、ひたすら飛行機に乗る人と人間模様が見えたのも大きな特徴でした。
これまで経験したことのない対応であり、実際のメリットはあまり感じませんでしたが、色々とインプットでき、一生記憶に残る経験でもありました。