フライト番号というと3~4桁であり、自分の誕生日と重なってでもいない限り、覚えにくく、どこの空港発の何時のフライトと覚えることが多いと思います。そうした中で、航空会社では1便を設定しているフライトもあり、トップナンバーである1便について、考えてみました。
すべての航空会社が1便を設定しているわけではない
新幹線などのように鉄道では、始発から若い番号で号数を割り振っているわけではなく、1便というフライトを設定していない航空会社もあります。
ちなみにJRの場合、基本的には東京方に向かう方が偶数番号、東京方から出発する方が奇数番号となっているようです。「〽8時ちょうどのあずさ2号で~旅立つ」は違うようですが、現在のルールができる以前であり、実存していたようです。
航空会社の場合、乗り継ぎ等も考慮されているのか、路線ごとに1~便数が設定されているものではなく、特定の便だけに振られているようです。
また、航空会社によっては設定されていない会社もあります。
例えば、北九州を拠点とするスターフライヤー(国内線)では、2ケタ台で路線毎に割り振り、若い番号ほど出発時間が早くなって(期間限定便は例外もあるようですが)います。
そして、羽田行きは偶数、羽田発は奇数便名が割り振られています。
国際線では奇数と偶数に法則性がある
国際線では基本的には東、北行きが偶数、西、南行きが奇数と割り振られているようです。例えば、シンガポール航空21便(ニューアーク発シンガポール行き)では南に行くと言うことなのか、奇数が割り当てられています。実際は気流等に影響されますが、真北に向かい、その後南下すると言えます。シンガポールは東南アジアなので東と言う見た方をすると矛盾しますが、西寄りに飛ぶので奇数とも言えます。
1便の意味
1便は航空会社にとってはトップナンバーであり、基幹路線、特に長距離路線に割り当てられることが多いようです。国内線・国際線にかかわらず割り振られているようです。国際線の場合は前述通りに向かう方角に基づいて割り振られています。
航空会社別の1便
割り振っていない航空会社もありますが、主な1便を割り振っている航空会社とルートは下記のとおりです。
JAL1便
サンフランシスコ発羽田行きであります。国際線の割り振りルールに基づき、西行きのサンフランシスコ発となっています。同便は1954年に日本企業として初めて、国際線定期便を始めた路線であります。当時はホノルル経由で羽田(成田が存在しない時代)に就航していました。
ANA1便
ワシントンD.C.発成田行きであります。こちらも国際線の割り振りルールに基づき、西行きです。同路線はANA初の国際線路線(初はグアム)ではありませんが、日米の首都を結ぶ路線としての就航のため、トップナンバーが降られています。成田発NH2便であります。
ちなみにスターアライアンスパートナーのユナイテッド航空では、NH1便運航のコードシェア便名は7941便、同社運航のフライトは803便が割り振られています。
アメリカン航空1便
ニューヨークJFK空港からロサンゼルスに向かう路線であります。国内線ではありますが、西行きであります。東海岸・西海岸の最大都市を結ぶ便であり、朝8:00に出発し、11:10に到着します。同便は半世紀以上前に事故を起こしていますが、欠番にならず現在に至っています。
ユナイテッド航空1便
世界最大規模の航空会社のユナイテッド航空の1便はサンフランシスコからシンガポールに向かうフライトであり、現在はノンストップで就航しています。ユナイテッド航空の西海岸のハブ空港であるサンフランシスコから東南アジアの主要都市のシンガポールのルートのため、1便が割り振られているようです。マイル数は8,446マイルです。
ブリティッシュ・エアウェイズ1便
もともとはロンドンヒースローからニューヨークJFK空港まで就航していたコンコルドに振られていた便名ですが、コンコルドが退役した後は、ロンドン・シティ空港(LCY)からニューヨークJFK空港に割り振られています。
特徴としては小型機エアバスA318と小型機で運航されています。しかしながら、全便ビジネスクラスとかつてのコンコルドのニーズ(時短、プライベート)を満たすように少しでも市内から近いシティ空港かつ、人数を限定しています。
将来、コンコルドのような超音速の旅客機が登場した場合は1便が割り振られるかもしれません。
ニュージーランド航空1便
ロンドンからロサンゼルスを経由してオークランドに向かうフライトです。同路線はニュージーランドが加盟しているイギリス連邦の首都からのフライトのため、1便が割り振られているようです。そして、定期運航便としては世界一長いフライトです。
ノンストップでは先述のシンガポール航空21便が世界最長ですが、途中経由したフライトではNZ1便が世界最長です。マイルは約11,960マイルです。
カンタス航空1便
シドニーからシンガポールを経由して、ロンドンに至るフライトであります。ニュージーランド航空1便が大西洋と太平洋を横断するのと対照的に、アジアの要衝であるシンガポールにて途中経由し、ユーラシア大陸を通過するルートであります。
機材はA380-800で運航され、ファーストクラスも設定されています。カンガルールートと呼ばれるルートはたくさんありますが、同便はそれを代表するルートであります。
ルフトハンザ1便
フランクフルトからハンブルグ行きの国内線であります。国際線ではありませんが、北上する便のため、奇数番号のトップナンバーが割り振られています。
西ドイツ時代からのフライトのようであります。同社のフライトではフランクフルトとミュンヘンが幹線とも言えますが、1便が国内線に割り振っているのはなにかドイツらしさを感じます。
大韓航空1便
韓国のフラッグシップキャリアである同社のトップナンバーはワシントンD.C.と思うと以外にもホノルルであります。明らかに東に向かいますが、仁川の緯度は北緯37.47度、ホノルルの緯度は北緯21.18度であり、一応南行きのためか奇数便が割り振られています。
もともとは成田経由ロサンゼルス(北緯33.94度一応南下)便でしたが、2013年度末から行き先をホノルルに変更しています。
便名は不変であり、アジアからアメリカ行き便は以前には、フラッグシップのようであり、1便が割り振られたと思われます。
エアカナダ1便
世界五大陸に就航しているエアカナダの1便は、トロント=羽田であります。さらに、1ケタ台のフライトは2は1便の復路、3と4はバンクーバー=成田、5と6はモントリオール=成田、7と8はバンクーバー=香港、9と10はカルガリー=成田と8つも日本線が振られております。
トロントと言うとアメリカに乗り継ぎの際、手荷物検査場でパスポートを忘れて、焦って戻った苦い思い出があります。
ロンドンは1便が多い
すべての道はローマに通じるとありますが、飛行機ではフラッグシップとされる1便はロンドン発着がが多いようです。以下はロンドンが発着地の主な1便です。
ロンドン行き
デルタ航空1便 JFK > LHR
カンタス航空1便 SYD > SIN > LHR
ピーマン・バングラディッシュ1便 DAC > LHR
エミレーツ1便 DXB > LHR
カタール航空1便 DOH > LHR
ウエストジェット1便 YYC > LGW(ガトウィック空港)
ロンドン発
エア・ニュージーランド1便 LHR > LAX > AKL
ブリティッシュ・エアウェイズ1便 LCY > JFK
マレーシア航空1便 LHR > KUL
ヴァージン・アトランティック航空 LHR > EWR
世界の首都と呼ばれるニューヨークは世界中からの就航は多いですが、1便がロンドンに振られるのは大英帝国から続き、イギリス連邦によるものなのでしょうか。
最後に
様々な航空会社の1便を調べてみると、各社それぞれの事情があるようですが、社運を賭けるようなルートであり、各社ともそれぞれの気合が感じられます。
マイラーであれば、1便の経緯を調べてみると新たなマイル修行において、1便を利用する機会ができ、コスト面だけでなく、豊かなマイル修行ができるかもしれません。