2020年ファーストな日にファーストクラスの積算率を考えてみました。
日系のマイレージプログラムではファーストは150%加算
日系の主な航空会社(JALとANA)の各マイレージプログラムでのファーストクラスの積算率を見てみると下記のとおりです。
JAL 国内線 各運賃の積算率+50%
国際線 F,Aクラス 150%
ANA 国際線 F,Aクラス 150%
ANAの場合、国内線ではファーストクラスと言う名称のクラスはありませんが、それに準じるクラスとしてプレミアムクラスがあり、その積算率はJAL国内線ファーストクラスと同様に各運賃の積算率+50%となっています。
これらのマイレージプログラムでは提携の航空会社のマイレージ積算も可能ですが、提携航空会社のファーストクラスも基本的には150%積算となっています。
海外の航空会社でのファーストクラスの積算率を見るとデルタ・スカイマイルでは自社及びスカイチームのコアな航空会社(エールフランスや大韓航空や中国東方航空)では200%積算となっています。(グローバル提携航空会社と呼ばれるところでは上位クラスはビジネスでもファーストでも一律に100%加算と言う例外はありますが)
下位クラスのビジネスクラスやプレミアムエコノミーでは既に満額の積算率である125%(ビジネス)、100%(プレミアムエコノミー)の一律が崩れており、70%積算が割引運賃では主流となりつつある中でも、ファーストクラスだけは聖域のごとく150%が維持されています。
そもそも希少価値なファーストクラス
ファーストクラスは言葉としての認知度は高いものの実際にそのシートの数は多くありません。アメリカ国内線ではファーストクラスはエコノミーの上位クラスとして当たり前ですが、一般的にイメージされるスイートな座席で最上級ワインと食事が提供される国際線ファーストクラスは意外と少ないと言えます。
グローバルなフルサービスキャリアでの提供に限られ、そうしたキャリアの中でもファーストクラスが設置される機材は限られます。
ANAではボーイング777-300ERとハワイ路線のA380に限定され、JALではボーイング777-300ERに限られます。
後継のエアバスA350-1000型機にファーストクラスが設置されるか、されないか注目されるところでありますが、もし設置されないとなると大きな話題となり、日本におけるファーストクラスディスコンの流れが加速するかもしれません。
海外ではビジネスクラスをファーストクラス級の装備にしたり、ファーストクラスをやめてそのシートをビジネススイートとして提供するなどの動きがあります。
例えば、カタール航空は同社のファーストクラスよりも最新のビジネスクラスのQsuiteの方が有名であり、マレーシア航空ではファーストクラスをやめて、ビジネススイートという名称にリブランドしたりしています。
ファーストクラスを追及している航空会社で代表的なのはシンガポール航空であり、同社では完全な個室というかリビング付きの部屋と言われるほどの空間を提供しています。しかし、こうした流れはレアであり、ファーストクラスはどんどん希少な存在となっています。
150%加算な理由とは
以上のようにファーストクラスはレアな存在であり、マイレージ積算としては全体の採算として考えた場合、割引の運賃で利用してもらっても影響は軽微であり、イメージを優先しているのかもしれません。
そもそも、エコノミークラスの主戦場である50%積算運賃とファーストクラス運賃とでは10倍から30倍の差があり、マイル積算率で3倍の差は塵のようなものであるのでしょう。
ファーストクラスに有償で搭乗する人はマイル積算率やステータスポイント単価などは計算する人は少なく、下手に改悪したりするとイメージを損なう可能性もあります。
何となく醸成されているファーストクラスのイメージをキープしているのが理由かもしれません。
ファーストクラスで150%積算してみたい場合
マイル修行をしていて、一生に一度はファーストクラスでマイル加算をしてみたいこともあると思います。しかし、車や高級時計が購入でき、自分の年収の半年分もするようなファーストクラスに有償で乗るのは馬鹿馬鹿しくなります。
一方で、マイルで搭乗を考えると空席が少なく、150%積算もされません。今日は一年の始まりなファーストの日のため、現実的な運賃でマイル積算ができるファーストクラス路線を探してみました。
クアラルンプール発券成田行きファーストクラス
時期は2月の飛び石連休の最終日の11日にクアラルンプールからデンパサールを経由して成田に行くルートです。
クアラルンプールからデンパサールまではエコノミークラス(マレーシア航空のコードシェア便)であり、デンパサールから成田までがガルーダインドネシア航空のファーストクラスとなります。
同社のファーストクラスはボーイング777-300ERに8席のみ設置されており、スイートタイプの個室です。シートスペックはシートピッチ82インチ、シート幅は22インチとなっています。
運賃はエクスペディアで検索したところ片道ながら142,580円であり、予約クラスは割引運賃のAクラスとなります。
スカイチームの代表的な会社のデルタ・スカイマイルでは100%であるものの、ステータスポイントは積算可能です。
また、日系ではANAマイレージクラブがプレミアムポイントの積算は対象外であるものの、ファーストクラスらしい150%積算は可能です。
注意点としては提携航空会社の場合、積算できる路線が限られていることが多く、今回の成田=デンパサール間は対象ですが、クアラルンプール=デンパサール間は対象外となっています。(そもそも運航がマレーシア航空のため、運航便が提携外と言う点からもNGですが)
プレミアムポイントは対象外ですが、ライフタイムマイルは対象となっています。ちょっとマニアックでありますが、ファーストクラスでセルフ凱旋帰国したいなどの場合には良いかもしれません。
最後に
ファーストクラスはなくなりそうでなくならないクラスであり、希少価値は増しています。一方で、マイレージプログラムの創成期から積算率に改悪はなく、積算率としては聖域的存在とも言えます。
2020年の始まりにファーストクラスの事を考えてみるとファーストクラスに搭乗してみたくなってきたので、今年の計画の一つにしてみたいと思います。