
札幌(新千歳)から沖縄(那覇)までの日本縦断フライト。かつては直行便もありましたが、現在はLCC(ピーチ)に路線を譲り、ANA便で行くには必ずどこかの空港を経由(乗り継ぎ)する必要があります。
今回は、「いかにキャッシュアウト(手出し費用)を抑え、かつ効率よくプレミアムポイント(PP)を積算できるか」という視点から、各経由都市のコスパを徹底検証しました。2026年9月に運休を控えた路線が、少しは単価至上主義を緩めて楽しむ機会かもしれません。
最近は少ないフライト系キャンペーン

最近の航空業界では、国内線・国際線ともに以前のような大型フライトキャンペーンが減少傾向にあります。マイル修行僧にとっては厳しい冬の時代が続いていますが、そんな中でも見逃せない「ニッチながらも美味しいキャンペーン」が存在します。それが富士山静岡空港を舞台にした乗り継ぎキャンペーンです。
実は、ANAの「静岡=札幌(新千歳)線」および「静岡=沖縄(那覇)線」は、2026年9月30日(水)をもって運休となることが決定しています。今回のキャンペーンはいわば、路線のフィナーレを飾る「線香花火の最後の輝き」のような、最初で最後のラストラン企画です。
富士山静岡空港 乗り継ぎキャンペーン概要まとめ
ANAの静岡=札幌線および静岡=沖縄線は、2026年9月30日(水)をもって運休となります。これに伴い、コンパクトで快適な乗り継ぎが可能な静岡空港の利用を促進するために実施されているキャンペーンです。
| エントリー | 2026年4月20日(月)10:00 ~ 9月30日(水)23:59 |
| 対象搭乗期間 | 2026年5月19日(火)~ 9月30日(水) ※4月20日以降に予約・購入した航空券が対象 |
- 【特典1】ANA FESTA 1,500円分 電子クーポン(先着400名様)
新千歳および那覇の「ANA FESTA」でお弁当や軽食に利用可能。※つり銭不可。 - 【Wチャンス】静岡の名産品(抽選10名様)
ANAマイレージクラブ会員限定の、静岡名産品プレゼント抽選。
- ※注意:沖縄発⇒静岡経由⇒札幌行きの復路(逆ルート)は対象外です。
- 対象運賃:マイル積算可能な国内線全運賃(小児運賃は対象、座席なしの幼児は対象外)
・事前にキャンペーンサイト(専用フォーム)からの参加登録が必須です。
・先着400名様の上限に達し次第、クーポン配布は終了となります。
・静岡空港の搭乗待合室エリアには売店がありません。クーポンは出発前の新千歳空港、または到着後の那覇空港のANA FESTAでご利用ください。
一見すると「1,500円分か……」と渋く感じるかもしれませんが、このルートには数字以上の大きなメリットがあります。
この運航スケジュール(NH1262〜NH1263)は、新千歳から飛んできた飛行機(機材)が、静岡空港でそのまま便名を変えて那覇へ向かう「同一機材・同一クルー」の路線なのです。そのため、もし前区間で遅延が発生しても、乗り継ぎ便も一緒に遅れるため「置いていかれるリスク」がゼロ。羽田空港のように広いターミナルを猛ダッシュする必要もなく、45分という短い乗り継ぎ時間でハラハラせずに移動できるのが最大の強みです。
札幌から沖縄までの運賃
乗り継ぎの快適さは分かりましたが、肝心のコストはどうでしょうか。一般的なエコノミークラス(普通席)の運賃を見てみましょう。
- 株主優待割引運賃: 約59,000円 + 空港施設使用料(PP積算率75%)

最初からプレミアムクラスを購入すると非常に高額(特にファーストクラス株主優待などは高嶺の花)になるため、現実的な修行戦略としては「エコノミークラス(株主優待等)で安く発券しておき、搭乗直前(アップグレード手続き開始タイミング)にプレミアムクラスへアップグレードする」(+50%)という方法が最も狙い目となります。
経由便の多くはジェット機(B737やA321など)で運航されているためプレミアムクラスの設定があり、ここで一気にプレミアムポイント(PP)を稼ぎつつ、1マイルあたりの単価(PP単価)を抑えることが可能です。
各乗り継ぎ都市経由のプレミアムポイントとアップグレード料金一覧
ここからは、各都市を経由して無事にアップグレードが成功した際の「獲得プレミアムポイント」と、「2区間分のアップグレード料金」を徹底比較していきます。
実は、かつて新千歳=那覇間を結んでいたANAの直行便は、現在はグループLCCのピーチに完全移管されています。そのため、ANA便で日本縦断を果たすには、ハブ(拠点)空港での乗り継ぎが必須となりました。
乗り継ぎの王道といえば、羽田、名古屋、伊丹、福岡といった大規模な幹線空港です。しかし、予約検索を回していると、それらに混ざってふと検索結果に浮上してくるのが、今回の主役である「静岡経由」のルートです。
📊 プレミアムポイント(PP)の計算数式
ANA国内線のプレミアムポイントは、以下の基本数式に基づいて1区間(片道)ごとに計算され、積算マイルの端数は切り上げられます。
📋 今回の適用条件(プレミアムクラス株主優待)
- 区間基本マイル:区間ごとに定められたANA規定の基本マイル数
- 運賃倍率(積算率):130%(1.3) ※プレミアムクラス株主優待割引等
- 路線倍率:2.0倍 ※国内線フライトは一律2倍
- 搭乗ポイント:400 PP ※プレミアムクラス搭乗時に自動加算
① 1,052マイル × 1.3(運賃倍率)= 1,367.6 → 1,368マイル(端数切り上げ)
② 1,368マイル × 2.0(路線倍率)= 2,736 PP
③ 2,736 PP + 400 PP(搭乗ポイント)= 3,135 PP
以上のような計算式から、区間マイル数と合計プレミアムポイント、2区間のアップグレード運賃を出してみました。
【完全版】新千歳⇒沖縄 乗り継ぎルート比較
※プレミアムクラス株主優待運賃(積算率130%+搭乗ポイント400PP)条件
| 経由地 | 各区間マイル | 獲得PP(片道) | 合計UG料金 |
|---|---|---|---|
| 1. 羽田経由 | 510 + 984 | 4,684 PP | 30,000円 |
| 2. 名古屋経由 | 614 + 809 | 4,499 PP | 33,000円 |
| 3. 新潟経由 ⭐ | 369 + 1,052 | 4,494 PP | 14,000円 |
| 4. 福岡経由 | 882 + 537 | 4,489 PP | 26,000円 |
| 5. 伊丹経由 | 666 + 739 | 4,452 PP | 26,000円 |
| 6. 静岡経由 ⏳ | 592 + 769 | 4,338 PP | 16,000円 |
・新潟経由:名古屋・福岡とほぼ同等の4,500手前フライトでありながら、UG費用が14,000円と頭一つ抜けて安いコスパ最強ルート!
・静岡経由:2026年9月末の運休までに一度は乗っておきたい、総額16,000円で4,300超を回収できる限定高効率ルート!
新潟=沖縄(那覇)便は季節限定の運航(季節便)である点に注意が必要です。ダイヤの都合上、往復ともに新潟での「一泊(前泊または後泊)」が発生してしまうケースが多く、別途ホテル代がかさむため、純粋なコストパフォーマンスとしては一長一短と言えます。
一方で、静岡経由ルートは非常に優秀です。新千歳から乗ってきた機材(飛行機)が、静岡空港でそのまま便名を変えて那覇へ向かう「同一機材・同一クルー」による運航が基本のため、万が一前区間で遅延が発生しても、乗り継ぎ便に置いていかれる心配がありません。スケジュール的なハラハラ感や乗り継ぎのストレスが一切ないという点でも、普通席(株主優待割引など)からプレミアムクラスへのアップグレードを狙うルートとして、静岡は空きが多い感じであり、有利であると言えます。
獲得できるプレミアムポイント(PP)の面を見ると、静岡経由だけが他ルートに比べ4,300台と一歩譲りますが、その差はわずか100〜300PP程度にすぎません。微々たる差であるため、手出しのキャッシュ(航空券代+アップグレード費用)を抑えつつ効率よく修行することを考えると、やはり静岡経由に軍配が上がります。
もちろん、羽田や伊丹、福岡などの主要ハブ空港を経由すれば、最高峰の「ANA SUITE LOUNGE(スイートラウンジ)」を利用できるという大きなメリットがあります。しかし、これらの幹線ルートは2区間分のアップグレード料金が非常に高額です。静岡空港にはプレミアムクラス向けのラウンジこそありませんが、アップグレード料金の合計が幹線ルートの約半分近くにまで抑えられることを考えれば、十分に目をつぶれるポイントです。
逆に、最も費用対効果が悪いと言わざるを得ないのが名古屋(中部)経由です。セントレアにはスイートラウンジはなく、プレミアムクラスの機内食(食事)の内容も主要幹線(羽田・伊丹・福岡・那覇発着)に比べるとやや簡素な扱いになります。それにもかかわらず、2区間のアップグレード料金が今回比較した中で「最高値(33,000円)」に設定されているのは、修行僧の目線から見ると非常に不思議であり、コスト重視の観点からは避けるべきルートと言えそうです。
気になる「PP単価」と最終的なコストパフォーマンス

それでは、最も重要な指標である「PP単価(プレミアムポイント1ポイントあたりの獲得コスト)」について検証してみましょう。
今回の静岡経由ルートにおいて、ベースとなる普通席の株主優待割引運賃を59,300円と仮定します。そこに2区間分の当日・直前アップグレード料金である16,000円を加算すると、フライトにかかる総額(キャッシュアウト)は75,300円となります。
これを獲得できる4,338 PPで割ってみると、PP単価は「17.35円/PP」となります。
昨今の国内線における直前アップグレードを絡めた修行としては、大都市圏の巨大ハブ空港を経由して高額なUG料金を支払うよりも総額を大幅に低く抑えることができており、非常に現実的かつ優秀な数字と言えます。
なにより最大のメリットは、「わずか半日、たったの2レグ(2フライト)で、一気に4,400PP弱を限界まで回収できる」という卓越したタイムパフォーマンス(タイパ)にあります。
「マイル修行のために何日もスケジュールを割けない」「土日の貴重な時間を使って、サクッと効率よくポイントを稼ぎたい」という多忙なビジネスマンやサラリーマン修業僧にとって、これほど条件の揃ったルートはなかなかありません。先着400名に滑り込んで1,500円分のANA FESTAクーポンさえ手に入れば、実質的なコストはさらに下がり、お腹も満たされるオマケ付きです。
2026年9月30日の運休を前に、線香花火が最後に放つ大閃光のようなこの静岡ルート。効率と安心感を兼ね備えた今だけの「爆益の選択肢」としても、最後の記念としても良いかもしれません。
最後に

新千歳から那覇まで、ANA便で日本を縦断する乗り継ぎルートを徹底検証してきました。
かつての直行便なき今、つい利便性の高い羽田や、数字上の最安を誇る新潟に目を奪われがちです。しかし、2026年9月30日という明確なゴールが迫る「静岡経由ルート」には、単なる数字の優劣を超えた明確な価値があります。
最後にもう一度、今回のルート選びのポイントを整理しておきましょう。
- タイパ&安心感最強: 同一機材・同一クルーの「遅延リスクゼロ」フライトで、広い空港をダッシュする必要もなし。
- 抜群の費用対効果: 2区間合計16,000円という格安のアップグレード料金。ラウンジはなくとも財布への優しさは圧倒的。
- 今だけのボーナス: 先着400名限定の1,500円分ANA FESTAクーポンで、旅の胃袋までカバー。
純粋なPP単価(17.35円/PP)だけを見れば、全盛期の修行ルートに比べると少し物足りなさを感じるかもしれません。しかし、現在の冷え切ったフライトキャンペーン事情、そして土日の半日だけで4,400PP弱をサクッと回収できる圧倒的な「タイパ」を考慮すれば、これほどサラリーマン修行僧に寄り添ったルートは他にありません。
「効率よくポイントを稼ぎたい」という実利はもちろんのこと、「運休前に、消えゆく名路線を噛み締めながら飛ぶ」というのも、粋なフライトの楽しみ方ではないでしょうか。