ボーイング777-300ERについて、今後を考えてみたのでお伝えします。
ボーイング777-300ERとは
ボーイング777-300ERはエアバスとの競争の中で生まれたボーイング777シリーズのフラッグシップとして生まれた機材であります。
欧州でエアバスが中型機に参入し、A300として具現化し、そのキャパシティだけでなく、双発機としてのメリットやデジタル化など多岐にわたる革新により、業界の基準を変えつつあったことに、ボーイングが危機感を抱き、完成していたB767からさらに対抗する意味で設計された777シリーズであります。
特に、ボーイング777シリーズは事故にも強く、シリーズ全体としては、以前不可解なMH370便を除くと、事故による乗員乗客の死傷者が少ない機材でもあります。
なかでもボーイング777-300ERはトラブルが少なく、トラブルがあっても乗員乗客の死者はゼロという機材であります。
もちろん、20年と間もないかもしれませんが、過去の機材で誕生から20年の間のインシデントを比較するとやはり、少ないと言えます。
人類の進歩と言えば進歩ですが、確実に進歩を形にした飛行機とも言えます。
私のボーイング777-300ER履歴書
私のボーイング777-300ERの履歴をまとめてみました。初めて搭乗したのは2009年のANAの成田⇒ロンドンであります。2004年にエールフランスを皮切りに就航しているので、遅い初搭乗ではありますが、やはりGE90のエンジンに感動した記憶は今でも新鮮です。
それ以来、現在まで45回搭乗し、累計の飛行距離は19万マイルとなっています。個人の生涯フライトマイル数は150万マイル足らずなので、回数の割には結構大きな割合を占めた機材と言えます。
フライトあたりのマイル数は平均すると4,223マイルと短距離区間での搭乗が平均を下げているとはいえ、やはり、ロングフライトマシーンであることを感じます。
77Wで搭乗したキャリアは、NHが最多で26回、続いてSQが6回、その後はBRが5回、残りはMS,TK,EKが2回ずつ、MUとTGが1回となっています。
スタアラ派な構成でありますが、MUもFRAからPVGまでロングフライトを経験できたのは良いかなと思っています。
最短搭乗路線はANA国内線での運用かな思っていたのですが、エミレーツのマスカット⇒ドバイの217マイルでした。
一方で、最長登場路線はSQのバルセロナ⇒シンガポールの6,777マイルでした。
ちなみにビジネスクラス以上相当のシート利用は23回と過半数を超えています。キャビン面積が広いため、ビジネスクラスのシートも多く、機会が多い結果だと言えます。
こうしたことが個人の記憶において、B777-300ERがポジティブな記憶が残っているというところなのかもしれません。
ANAと言えはB777-300ER
コロナ禍の現在のANAではA380の方が印象が強いと言えますが、やはり、ANAというとボーイング777-300ERというのが個人的には印象が強いところであります。
ライバルであるJALでは良くも悪くもジャンボ機(ボーイング747シリーズ)の印象が強いと言えます。
JALでは数えきれないと言っても過言ではないB747-400を保有していた時期にANAでは国内線含めて20機ほどでありましたが、その後、ANAが国際線で順調に路線と実績を伸ばし、21世紀に入ると大きく変化がでます。
満を持してのB777-300ERが登場し、トゥギャザーなパートナーとしてB777に参画していったANAは国内から国際までトリプルセブンを導入していきます。
そして、いつの間にか777帝国を築き上げます。JALが調子悪い時期にもひたすら777を導入していきます。
気が付けば、北米と欧州はすべて77Wという全盛期を迎えることとなります。結果的にANAではピークでは28機のB777-300ERを保有しており、JALはその半分以下の13機であり、ANAと言えば77Wというくらいでした。
このあと、787でもANAと言えばというところを狙い、実現するのものの、コロナ禍で環境が激変して、結果的には重厚長大な77Wを手放すこととなりますが、それでも意地なのか、JALに勝ちたいのか厳しい今でもJALより多い15機保有しています。
予約画面で77Wが出てくるとなぜか安堵するのは、その懐の深さと広いが故に色々なシーンとサービスの記憶があるからかもしれません。
21世紀初頭からコロナ禍の20年代まではまさにANA=B777-300ERの時代であったのかもしれません。
アフターコロナのB777-300ERは?
地球上を見てみるとボーイング777-300ERを多く保有して、ビジネスをしているのはエミレーツ航空でありますが、ANAをはじめとするスターアライアンスキャリアも多く保有していると言えます。
その筆頭であったはANAでは経営上の窮状のため、半減させてしまったわけでありますが、それでもコロナ禍がなければ、そろそろ運用できたであろう、B777-9へのスムースなバトンタッチが想定され、B777帝国万歳であったと言えます。
コロナもどうなるかと思っていましたが、このままいくと2年で終息に向かいつつありそうであります。
そういう意味では日本一の77Wオペレーターから779オペレーターにバトンタッチしつつ、一方でA380という大物を操るオペレーターとしてデカモノを誇示していくストーリーが成り立つのはまだあり得るかもしれません。
一方のJALはA350シリーズ一択で、過去のボーイング呪縛を払いのけたい願望さえ感じます。過去のジャンボ帝国はどこに行ったかというくらいであります。
アフターコロナがテレワークだらけになるのか。それとも海外に行ってこそ、実感があり、ビジネスはそうでないといけないという回帰的な反動が経営層から強くなり、プレミアムな国際線需要が高くなるかもしれません。
そうすると、過去に描いた絵図に軌道を戻すことができるとも言えます。少なくとも、反動で5年くらいはその効果が強くなると、B779は出番がありそうです。
そうなると21世紀初頭からのヒットしたB777-300ERが廃れることなく、B779として正常に進化でき、B77Wは子孫を残し、幸せな存在として終活にもなりそうです。
個人的にはそうであれと思うところですが、大エンジンはCO2を大量に吐き出すのがネガになりかねないところもあり、ストーリーが展開できるかは不明です。
最後に
ボーイング777-300ERが登場し、20年近くたち、個人的にも初めて搭乗してから13年が経過しています。それでも、いまだに新鮮に感じ、まだまだ乗ってみたいところであります。
しかし、その大きさ故に世の中からは敬遠されるシーンも多いですが、どんな時代であっても多くの人を地球上に一気に安全に運べるマシーンは必要であり、必要枠として、残すまたは、次のバージョンで大成して欲しいところであります。