航空券を購入する際、一番気にされるのは、運賃、次いで、自分のスケジュールにあわせて、短期間で往復できるか、予約の変更が可能でかつ、変更手数料が少ないかといったところではないかと思います。マイル修行されている方は、さらに、一度のフライトで得られるマイルとプレミアムポイント(PP)とかかるコスト(PP単価)も特に意識されると思います。そこで、国際線の予約クラスごとに、マイル・プレミアムポイント、搭乗ポイント、そして、アップグレード可否をまとめてみました。
ANA国際線予約クラスの仕組みは?
運賃名称一覧
ANAの運賃は各サービスクラス(ファースト~エコノミー)に以下の運賃が設定されています。(路線によっては設定がないものもあります)
Full Flex Plus | Basic Plus | Special Plus |
---|---|---|
Full Flex | Value Plus | Special |
Flex Plus | Value | Super Value |
Flex |
10種類もあり、これだけ見ると何のことかわかりません。各単語の意味を一覧にしてみました。ANAホームページで予約検索をすると必ず出てきます。マイル加算率やアップグレードとも関係しているので、整理をしてみました。
予約変更 | 払戻 | Plus | |
---|---|---|---|
Full | ◎ | ◎ | 有 |
Flex | 〇 | ◎ | 有 |
Basic | 〇 | 〇 | 有 |
Value | × | 〇 | 有 |
Special | 〇 | × | 有 |
Super | × | × | 無 |
予約変更と払戻が可能かどうか可能な場合に所定の手数料の有無によって、区別されています。Plusは、マイレージ、ポイントによるアップグレードが可能かどうかを識別するものです。※ANAのサイトで購入した場合の条件のようなので、ほかの旅行代理店または、他の予約サイトで購入する場合は、微妙に条件が変わる場合もあるので、購入ボタンを押す前に条件の確認と自分の旅程に照らし合わせて問題ないか理解したうえで、購入してください。
ANA国際線予約クラス別一覧*1
サービスクラス | Economy | Premium | Business | First | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
運賃名 | Special Super Value |
Flex Basic Value Special |
Flex Plus Basic Plus Value Plus Special Plus |
Full Flex Plus | Super Value | Full Flex Plus Flex Plus Basic Plus Value Plus |
Value | Full Flex Plus Flex Plus |
Value | Full Flex Plus | |||||||||||||
予約クラス | K | L | T | S | W | V | Q | H*2 | U | M | B | Y | N | E | G | P | Z | D | C | J | A | F | |
加算率 | マイルPP *4 | 30% | 50% | 70% | 100% | 70% | 100% | 70% | 125% | 150% | |||||||||||||
搭乗ポイント | × | 〇 | |||||||||||||||||||||
アップグレード対象 | × *3 | 〇 | × | 〇 | × | 〇 | - |
画像はこちら
運賃は左側が安く、右に行くほど高くなります。エコノミークラス(K~Uあたりまで)では、各予約クラスの値差は3,000~5,000円です。それ以降は元々の運賃も高いため、数万円単位で高くなっていきます。一般的に右に行くほど強い航空券と言われ、空席が少ない場合でも、右側のクラスであれば、予約変更が割と簡単にできます。また、インボラの可能性も高くなります。
一番右のファーストクラスでは、1年以内であれは、予約変更もほぼ自由にでき、払い戻しもできてしまいます。
運賃名称と予約クラスの関係ですが、発券国により、運賃名と予約クラスの割り付けが異なるため、一概に言えませんが、Full Flexは右に行くほど設定されているようです。
各クラスの特徴
K~T
北米ルートに関連した予約コードで、北米発アジアなどでよく出てきます。加算率が30%と低いものもある一方で、運賃はかなり安く、強いて言えば、ライフタイムマイル修行には向いているかもしれません。SFC会員以上で、空席があれば、太平洋間でプレミアムエコノミーにも搭乗できます。期間限定運賃も多く、Special Plus、Special、Super Valueの運賃が区の予約クラスによく該当されています。
S~U
修行されている方には、なじみのあるクラスかもしれません。国際線のほぼ全路線で使用されているクラスです。購入期限(日本発券だとこのクラスは大体、5日(正確には出発時間の120時間前))間際になると左側の運賃はどんどん売れて、高くなります。各クラスに割り当てられている座席数の完売により、一つ右のクラスになる仕組みです。
これらのうち、海外発券(特にクアラルンプール)コスパがよいのはSとHになります。マイル・PPの加算率に対して、最も低い運賃と言えます。また、H以上のエコノミーの予約クラスは、アップグレードポイントまたは、マイルでアップグレードができます(運賃名にPlusがつきます)。DIA会員であれば、K~Qの予約クラスでも、通常使用する二倍のアップグレードでアップグレードもできます。Hについては、海外発券の場合は、アップグレード可能ですが、日本発はできませんので、注意してください。
M~Y
このクラスは加算率100%,搭乗ポイント400つき、予約変更可能とエコノミーでは最強の運賃です。特に、プレミアムポイントについては、アジア路線では、
プレミアムポイント=フライトマイル×加算率×1.5+搭乗ポイント
となっているため、掛け算効果で加算率の高い方が断然メリットがあります。
ただし、日本発を含めて、往復で10万円以上と高額です。しかし、海外発券では、10万円以下で手にするルートもあります。海外発券で、S,Hのクラスが空いていない場合は、敢えて、クラスMで購入して、プレミアムポイントをより多く貯めるという手もあります。
N~J
ここからは、プレミアムエコノミーとビジネスの予約クラスとなります。資金を大量投入して、一気に上級会員になる人向けと言えます。プレミアムエコノミーは、企業側から見るとフライト当たりの収益力アップの位置づけで投入されているクラスのようで、運賃に変動はない(高止まりしている)ようです。路線によりますが、EとGでは、Gの方が強いようです。Nは2018年12月導入されたプレミアムエコノミークラス割引運賃のクラスです。積算率は70%となります。
Eはプレミアムエコノミーの特別運賃でありますが、100%加算となります。割引のビジネスクラスであるPクラスの方がプレミアムポイントがたまらないというねじれ減少も発生しています。
一方でビジネスは、稼ぎ頭で、競争が激しいクラスで、メインである法人需要に依存するところが多い路線です。ビジネス需要が低い時期には、団体向けにホテルとセットツアー運賃で割安に提供することもあります。予約クラスでいうとPがありますが、Pは70%加算でファーストへのアップグレードができません。海外発券Hクラスで予約してアップグレードした方がメリットはありそうです。
A~F
AとFの差分は、FはFull Flex Plusで搭乗するフライトでまさにFirstな完全無欠のチケットです。政府高官や上場企業の代表権を持つ人(VIP)が同乗しても、きちんとFirstのお客さんとして、きちんと対応してくれると思います。Plusがついているので、論理的には、アップグレードできるのですが、これ以上のサービスクラスはないです。将来さらに上のクラスの予定でもしているのでしょうか。
Aは注意です。購入期限が28日前、最低滞在3日(土曜日の滞在を含む)最長滞在21日、予約変更不可、取消手数料150,000円と驚愕の制限があります。Aはシンガポール便には設定はないようです。
マイルが加算されないクラス
O、I、R、Xはマイル加算およびプレミアムポイントは加算されません。この予約クラスは、特典航空券のチケットに割り当てられるクラスです。O(ゼロ),X(バツ)は覚えやすいですね。ただし、ライフタイムマイルは加算されますので、万が一加算されない場合は、事後加算申請をしましょう。
まとめ
運賃名は11種類もあり、ややこしいですが、逆にいうと利用者のニーズに細かく対応しているともいえます。マイル修行観点でいうと、プレミアムポイントの加算率とコストが一番重視するポイントであるため、予約クラスの理解とシミュレーションは必須と思います。
*1:2018年12月現在 飛び級(例エコノミー→ファースト)はできません。