ANAとユナイテッド航空は太平洋間、米国内、日本国内、アジア域内でJV(共同事業)を実施していますが、両社のマイレージクラブの微妙な関係があるようなので記事にしてみました。
きっかけはビジネスクラス割引運賃
ANAやユナイテッド航空では、ディスカウントビジネスクラスの運賃はPクラスとして販売されており、ANAではアジアと北米間、中国と日本間のビジネスクラスでこうしたクラスの運賃があります。
また、ユナイテッド航空でもホノルルからカナダ方面やメキシコ方面ではPクラス運賃をよく見かけます。個人的には70Pと呼んでいますが、ビジネスクラスのフライト後のマイル積算の楽しみが少ない運賃でもあります。
ANAのSFC修行をしている人であれば、安さと快適を優先し、日本発でもツアー合算の運賃や期間限定運賃で販売されているため、利用される方は少なくないと言えます。
両社のマイレージプログラムでの積算率に格差が
ANAでは先述のビジネスクラスPクラスは70%加算であり、PP単価が低く抑えられているほか、プラチナ会員やダイヤモンド会員であっても搭乗倍率にボーナスマイルが乗じられるため、非効率なクラスと言えます。(ダイヤモンド2年目以降でも、積算マイルで見ると70+(70*1.3)=161%となります。サービス面でANAとユナイテッドの上級クラス特典のどちらがいいかは何とも言えませんが。。。
一方でマイレージプラスでは、ANA運航便のPクラスは150%加算であり、ユナイテッド平会員とANA最上級会員の差は11%しかありません。こうしたことからするとダイヤモンド会員以外はダイヤモンド修行やライフタイムマイル修行を放棄しているのであれば、マイレージプラスでマイルを積算した方が使い道はありそうです。
東南アジアの特典航空券のマイル数を比較
ANAとユナイテッドの東南アジアのビジネスクラスの特典チケットで必要なマイル数を比較してみました。
ユナイテッドでは、スターアライアンスセーバーにて片道で35,000マイル必要となります。一方でANAはANA特典ビジネスでは片道あたり、ローシーズンで27,500マイルであり、ハイシーズンでは31,500マイル必要となります。ANAについては、実際は往復でしか発券できないため、マイルが早く積算し、片道で発券できるユナイテッドの方が融通性としては有利と言えます。さらに、言い換えるとダイヤモンド会員は安いビジネスを利用してもメリットが少ないと言えます。
ANAダイヤモンド会員は損をしているのか
70%加算運賃をダイヤモンド会員で積算しても、ユナイテッド・マイレージプラス会員の積算率は150%である一方で、特典として利用する場合にはANAの場合ダイヤモンド会員とマイレージプラスの会員の差は片道あたりの差は10%しかなく、UAでマイレージを加算して、フライトはANAで飛び、ライフタイムマイルはANAに積算する方がいいと思ってしまいます。唯一、有償航空券の楽しみであるプレミアムポイントが積算できないのは残念ですが、積算マイルで得られる対価を考えると微妙と言えます。
最後に
ビジネスクラスの値下げ対策として搭乗した70Pですが、アライアンス間での調和がとれていないため、ねじれが起きており、ANA上級会員としては不満と言えます。一方でUA特典に変換すればマイルの積算率は良いため、不足分はバイマイルもできるUAで東南アジアまでの足を確保するチケットを獲得し、ANAやSQで東南アジア発券をして、新たなマイル修行とか考えてしまいます。 70Pは何とかならないものですかね。