ANA株主優待券が破格と言うか、投げ売り状態であり、雑感してみましたのでお伝えします。
株主優待券が100円
11月中旬、今月で有効期限が切れる文字通り、紙切れとなる優待券の価格を調べにチケットショップに行って見るとなんと1枚150円であり、思わず2枚買ってしまいました。
思い立った旅では株主優待運賃かトクたびマイルが効果的でありますが、以前は有効期限の月の最後週の土日前でも1,000円ぐらいはしており、それでも破格でした。
しかし、150円とは何とも驚愕です。それを利用してその週末に株主優待運賃で出かけたのですが、その週明けには100円となっていました。あと有効期間が10日とは言え、3枚買っても300円であり、トクたびマイルで支払うコストの方が高いのではないかと感じるくらいであります。思わず買ってしまいました。ある意味、戦略にはまっているのかもしれませんが。
仮に11月中に使わずに紙くずになっても、300円の損なので、ビジネスきっぷやバリューを買う蓋然性がないと感じるくらいであります。会社の経費であれば、ビジネスきっぷの方がマイル積算率は良く、変にチケットショップで買った運賃とか監査とかなさそうで良いかもしれませんか。
こういう時はビジネスきっぷやバリューの設定がなく、大量の優待券が必要となるアイランドホッピングをするのが良いかもしれません。普通運賃だと高く、普段なら株主優待券を執行する程の運賃でない、アイランドホッピング(長崎県内路線や沖縄県内路線)をするのに最適かもしれません。
株主優待運賃の空席が
株主優待券が100円となるには、それなりの理由があるとも言えます。それは株主優待運賃の予約の取れにくさが半端なく悪化しているところであります。
以前であれば、フレックスと同じく空席があり、搭乗直前までほぼ無敵で利用できたのですが、今は幹線は空席待ちであればましですが、満席も多く、インバウンドにどんどんと奪われているようです。
特にプレミアム株主優待は満席が多く、なかなか厳しいところではありますが、以前、書いた記事にあるように2日前のプレミアムクラスの他の運賃が空いていて、普通席の株主優待運賃に空席があれば、アップグレードをかけてほぼ同額のコストで同様のプレミアムポイントが得られるので対策はありそうです。
まあ、プレミアムクラスの座席数が多い、722や78G、78K、78Mなどの機材が飛んでいる路線に絞られてしまいますが。敵はなかなかであり、普通席の株主優待運賃を満席にして塞いできたりするものではありますが。
そうした事もあり、株主優待券の価値が落ちていると言えます。安いのには訳がるあと言うところであります。
ただ、先述の離島路線や地方路線はまだまだ空いているので、そういった路線の組み合わせで、有効期限間際はワンコインで優待券を調達して利用するのがベストかもしれません。日本各地を巡ると言うトラベラー向けかもしれませんが。
まあ、そうした路線はフライト距離が短いのでプレミアムポイントが嵩みませんが、株主優待運賃においては、ボーナスPPである400PPは積算されるので意外と良い路線もあるかもしれません。数打てばプレミアムポイントは、単価は別として意外と貯まるかもしれません。
タイムセールとキュンに座席数を割り振っているのでは
前回の記事でも言及しましたが、月に何回やっているのかと思う程の国内線タイムセールや毎月の29日のセールが展開されており、その数か月先の搭乗日のフライトから株主優待運賃の座席を奪っているのではないかと思います。
タイムセールと株主優待の運賃を比較すると前者の方が安く、実入りは少ないはずなのですが、3か月に入る7,000円の現金よりも、今の5,000円の現金の方が企業にとっては価値が高いと言うところなのでしょう。最近、同事業会社のYouTubeのCMも多いですし。
移動に制限がかかっていた時代にはとにかくキャッシュが入ってこないので、資金繰りが大変だったので、そうした経験からなのかもしれません。普通の販売会社とは違って、当局が目を光らせているので、安定性とかも重視されているところもあり、こうした結果となるのかもしれません。
それにしても株主優待運賃の空席の無さはタイムセールとキュンがまた発表されるとその月の空席が減ることを想起してしまいます。そこで、先読みはできそうですが。
優待コ磁器の撲滅作戦か
以上のように株主優待運賃の座席数を減らしてセールにシフトすると、早期にキャッシュを得る反面、株主優待券の二次流通価値を下げるので大事なステークホルダーである個人株主に対してはデメリットでしょう。ただ、そうした個人投資家には、優待を得て換金して利益を出すために短期取引をする人もおり、そうした人には優待券の価値が回収できないとなるとANAホールディングス株から離れていくでしょう。
同社ではEPS向上による株価上昇や、それにもつながる自己株式取得、また、増配などの株主還元に対しても考えはあるようで、長期保有する投資家を増やしていきたいようであり、優待コ磁器は近づいて欲しくないのかもしれません。ヘッジは別としても、優待コ磁器が同社にとってなにもメリットはないとも言えます。
ただ、個人株主にも同社利用をしてもらう機会はなくしているわけではなく、セールなど本業で航空券を購入してもらう事で事業成長に寄与してもらい、その事業成長により、株価上昇と株主還元で応えると言う事なのかもしれません。
そう考えると、ゆくゆくは株主優待運賃はなくなるのかもしれません。良く株価はその企業の数年先を反映しているとも言われますが、株主優待券のチケットショップでの現在の価格は数年後の株主優待運賃の行く末を反映しているのかもしれません。
最後に
株主優待券のチケットショップなどでの二次流通の価格が100円となっていました。賞味期限間近とは言え、ニーズに合っていれば爆買いしても良いくらいであり、お祭りとも言えます。
ただ、その背景には同社を取り巻く環境があるようであります。投資家、特に個人投資家にとっては優待の側面だけ見ると年々予約が取りづらくなり、株主優待運賃はデグレと言えるようにも見えます。優待利回りに焦点を当てるとであります。オーガニックなEPS成長や配当などの株主還元を考えると長期保有をしてもらえる投資家に買ってもらいたいと言う意志も感じます。
以上からするとこれまでの株主優待施策とは乖離して、個人投資家を邪険にするように見えますが、個人投資家にとって決して同社の飛行機に安く乗れない機会がなくなったわけではなく、タイムセールの頻度は増え、そちらで事業を支えて貰って事業成長により、株価上昇や株主還元に応じるなどのメッセージにも感じます。
株式を長期保有してもらい、且つ、同社のフライトを利用して貰いたいのであれば、ライフタイムマイル特典もグレードアップしてもらいたいところでもあります。これは大量保有するとフライトをこなさくてもミリオンマイラーに近づくと言う意ではありませんが、何かあって欲しいところでもあります。