弾丸トラベルは怖くない!

マイル修行、ミリオンマイラー、ホテル修行、海外発券、空港ラウンジ、弾丸旅、ローカル路線バス、など

ANAソウル海外発券が燃油加算で蒸発?最新PP単価とマイル修行の行方

ANA B787 @gimpo airport

いつかは来ると覚悟していたものの、いざその現実を突きつけられると、やはり一抹の寂しさを禁じ得ません。

我々マイラーにとって、長年にわたりステータス維持の「頼れる防壁」であり、最もスマートな選択肢の一つであり続けたあのルートに、ついに歴史的な大ナタが振るわれました。激しい円安や現地のインフレという逆風が吹き荒れる今、航空会社側の舵取りも大きな転換点を迎えています。

今回は、多くの修行僧に衝撃を与えている最新の改定仕様と、それによって激変した具体的な数字のリアルを、かつてのデータと比較しながら紐解いてみたいと思います。

ANAがとうとうソウル海外発券でも燃油サーチャージ

マイル修行やステータス維持において、ソウル(金浦/仁川)を出発地として東京(羽田/成田)を経由し、ヨーロッパや北米へと向かう「海外発券」は、長年効率の良い王道の手法とされてきました。

  • 国際線積算率の優遇: プレミアムエコノミー(Eクラス等)を確保することで、マイル・PP(プレミアムポイント)の積算率100%を維持しやすい。
  • 路線倍率の恩恵: 前後に付くソウル〜東京区間には「1.5倍」の路線倍率ブーストがかかるため、全体のPPを底上げできる。
  • 柔軟な旅程構築: 東京でのストップオーバー(24時間以上の滞在)を組み合わせることで、会社の休みに合わせた弾丸旅行を何本もループさせられる。

しかし、これは燃油サーチャージがほぼフリー(極めて低額)だったからこそ成立していた神業でした。そして悲しいことに、2026年6月からは一気に日本発券並みのサーチャージが加算される仕様へと変更されてしまいました。

ソウル発イスタンブール往復「Before vs After」

比較するのは、いずれも「ソウル(金浦)発、羽田経由、イスタンブール(IST)往復」という同一条件のルートです。
HND-IST間はプレミアムエコノミー(Eクラス/積算率100%)、GMP-HND間はエコノミークラス(Bクラス/積算率100%)で構成されています。

区間マイル数は、羽田〜イスタンブール間を 5,748マイル、羽田〜ソウル(金浦)間を 758マイル として計算しています。

【Before】データ

単価は以下のとおりです。

📊 Before:燃油高騰前のコストとPP単価
  • 運賃本体: 230,200 円
  • 税金・料金等: 36,920 円
  • お支払い総額: 267,120 円
【獲得プレミアムポイント(PP)計算】
  • GMP ⇄ HND (2フライト): (758 × 100% × 1.5 + 400) × 2 = 3,074 PP
  • HND ⇄ IST (2フライト): (5,748 × 100% × 1.0 + 400) × 2 = 12,296 PP
  • 合計獲得PP: 15,370 PP
【PP単価】
267,120 円 ÷ 15,370 PP = 17.38 円/PP

一気に積算できるプレミアムポイント。PP単価17円台は「超高効率」とまでは言えなくとも、ここからビジネスクラスへのアップグレード(※手持ちのアップグレードポイントやマイルの活用)も狙えるため、ステータス維持の旅程としては十分に「アリ」な選択肢でした。

【After】データ

原油高と各種諸税の改定がフルに反映された、最新の見積もりデータです。旅程や予約クラス(エコノミー B / プレエコ E)などの条件はBeforeとまったく同一です。

⚠️ After:燃油高騰・各種諸税改定後のコストとPP単価
  • 運賃本体: 222,900 円
  • 税金・料金等詳細: 121,080 円
  • - 旅客サービス施設使用料: 2,940 円
  • - 旅客サービス料: 2,540 円
  • - INTERNATIONAL FLIGHTS SECURITY CHARGE: 560 円
  • - 旅客サービス料: 3,720 円
  • - 燃油特別付加運賃: 108,200 円
  • - 航空保険特別料金等航空会社が定める料金: 3,120 円
お支払い総額: 343,980 円
【獲得プレミアムポイント(PP)計算】
  • 合計獲得PP: 15,370 PP (Beforeと同一)
【PP単価】
343,980 円 ÷ 15,370 PP = 22.38 円/PP

まさに「ゲホゲホ運賃」。積算率100%の予約クラスだからまだ耐えられますが、これが積算率の低いローコストなエコノミークラス運賃だったとしても、燃油サーチャージだけは同額でズドンと乗ってきます。そうなると海外発券の妙味は完全に消失し、「これならLCCやサーチャージフリーな他社キャリアに乗ったほうがマシ」と言わざるを得ないレベルに達しています。

ウォーターフォールチャートにすると以下のとおりです。

航空券そのものの「運賃本体」だけを見れば、実はBeforeよりもAfterの方が7,300円安くなっています。ANAが設定しているソウル発のベース運賃自体は、現在でも十分に競争力のある価格を維持していると言えます。

しかし、総額を大幅に押し上げているのは、10万円を軽々と超えてきた「燃油特別付加運賃(108,200円)」です。Afterの諸税総額(121,080円)のうち、約89.3%が燃油サーチャージで占められており、これが原因で最終的なPP単価は 22.38円 まで大暴騰。1回の旅程で1.5万PPを一撃で稼げるメリットはあるものの、コスト面でのハードルが異次元に高くなっているのが現状です。

為替と現地インフレがもたらす影響

国際線修行を検討する際、航空券代と同じくらいシビアに見極めるべきなのが「現地での滞在コスト」です。

現在、世界各地のコスト環境は修行僧にとって非常に厳しい局面を迎えています。

  • 北米・ヨーロッパ: 純粋に「強烈な円安」の影響で、何をするにも日本円換算の価格が跳ね上がる。
  • トルコ: 通貨リラ安が進んでいるため為替の数値的には良さそうに見えるが、それを完全に相殺するほどの「猛烈なインフレ」が進行中。
  • オーストラリア: こちらも高水準なインフレが続いており、現地物価の高止まりが気になる。

特にトルコのイスタンブールなどの主要観光都市では、ホテル代、食事代、移動費などが実質的にユーロや米ドル建て基準の価格設定にスライドしているケースが多く、日本円での実質的な負担は以前よりも確実に重くなっています。

航空券の燃油代だけでなく、この「円安」と「各地のインフレ」というダブルパンチ(逆噴射)を考慮し、現地滞在費まで含めた「真の旅費総額」から効率を逆算すると、実際のPP単価は22.38円からさらに悪化する可能性が極めて高いのが現実です。ホテル宿泊実績を伴う修行(マリオットやハイアット等)を兼ねていないのであれば、もはや別ルートを開拓した方が賢明でしょう。

結局、国内線プレミアムクラス(沖縄方面)の圧勝か

国際線でのPP獲得がここまでいばらの道となった今、極めて現実的かつ強力なオルタナティブとなるのが「国内線プレミアムクラス(OKA / ISG / MMY)」のフル活用です。

プレミアムスタンダードやプレミアム株主優待割引などの新運賃体系では、積算率130%・路線倍率2倍に加え、一律で搭乗ポイント400PPがしっかりと付与されます。羽田発着における片道・往復の獲得PPは以下の通りです。

🚀 【新運賃対応】国内線プレミアムクラス獲得PP(積算率130%)

※プレミアムスタンダード・プレミアム株主優待割引等の積算率130%、路線倍率2倍、搭乗ポイント400PPで計算。

  • 📍 那覇 (OKA) [区間マイル: 984]
    片道計算: 984マイル × 130% × 2.0 + 400 = 2,958 PP
    🔁 往復合計: 5,916 PP
  • 📍 宮古 (MMY) [区間マイル: 1,158]
    片道計算: 1,158マイル × 130% × 2.0 + 400 = 3,410 PP
    🔁 往復合計: 6,820 PP
  • 📍 石垣 (ISG) [区間マイル: 1,224]
    片道計算: 1,224マイル × 130% × 2.0 + 400 = 3,582 PP
    🔁 往復合計: 7,164 PP

ここで、ソウル発券イスタンブール往復(プレエコ)の惨烈なPP単価(22.38円)を基準に、国内線プレミアムクラスをいくら以下で抑えれば逆転できるのか、「損益分岐点」を算出してみます。

💰 コストパフォーマンスにおける優位性(損益分岐点)

現在のイスタンブール路線のPP単価(22.38円)を基準に、国内線プレミアムクラス(往復)の損益分岐点を算出すると、以下の金額になります。

  • ✈️ 那覇 (OKA) [往復 5,916 PP]
    往復で 約 132,400 円 以下なら国内線の方が高効率
  • ✈️ 宮古 (MMY) [往復 6,820 PP]
    往復で 約 152,600 円 以下なら国内線の方が高効率
  • ✈️ 石垣 (ISG) [往復 7,164 PP]
    往復で 約 160,300 円 以下なら国内線の方が高効率

通常の時期であれば、国内線プレミアムクラスは往復10万〜12万円前後で確保できることが多く、この損益分岐点を大幅に下回ります。つまり現状は、コストをかけて国際線海外発券を組むよりも、国内線プレミアムクラスを単純往復した方がPP単価をグッと低く抑えられるのです。

さらに新運賃体系では、乗り継ぎルート(例: 地方〜羽田〜那覇など)を利用しても運賃がほぼ同額にセーブされる仕組みが導入されました(株主優待券の場合は2区間分で1枚多く必要にはなりますが)。これにより単純往復を上回る効率を叩き出せるため、より一層国内線へのシフトが有利になります。最近、ANAの株主優待券の相場が高騰している背景には、こうした国内線回帰の動きも影響しているのかもしれません。

時間効率とサービス面でのメリット

■ 燃油サーチャージの変動リスクが極めて低い

国内線にも燃油付加運賃は導入されていますが、片道数百円〜千円程度と極めて低水準かつ安定しています。国際線のような激しいボラティリティ(価格変動)に振り回されるリスクがありません。

■ 圧倒的なタイムパフォーマンス(タイパ)の高さ

国際線のように数日間のスケジュールを確保する必要がありません。例えば羽田ー石垣を週末に2往復するだけで 14,328 PP を叩き出すことができ、週末の弾丸日程だけであのイスタンブール往復に迫るPPを回収可能です。

■ 快適な地上・機内インフラ

優先チェックインカウンター、保安検査場ショートカット、出発前のANA LOUNGEでのひととき、そして機内のゆとりあるシートと機内食の提供(食費が浮く?)。移動に伴う疲労やストレスを最小限に抑え込めるのは、プレミアムクラスならではの特権です。

もちろん、タイパやインフラの優劣だけで旅のすべてを評価できるわけではありません。時間をかけて遠くへ行くからこそ得られる、かけがえのない異国の経験や旅情もあります。特に、国際線ラウンジが醸し出すあの独特の高揚感や華やかさは、どれだけ国内線プレミアムクラスが進化しようとも超えられない壁です。

そうした旅の経験や感度を鈍らせず高いレベルで維持するためにも、「普段は国内線で効率よく薪(PP)をくべ、ここぞという極上のタイミングで国際線にエネルギーを拡散させる」。そんなメリハリのあるスタンスこそが、今の時代における大人の賢い「マイル修行」のバランスなのだと感じています。

国際線の頻度は減り、これまでの醍醐味は減ってしまいますが、今はそういう時代であり、いつかはまたと言う気持ちを持ち続けることが良いのかもしれません。個人的には残りの寿命を考えるとそんなにないかもと言うところです。

最後に

かつて「海外発券」は数々の歴史的改定や世界的な事象を乗り越え、我々修行僧を支え続けてくれた極めて有効な刃でした。しかし、「激しい燃油高」「歴史的な円安」「現地のインフレ」、さらには「ANAの経営方針の変化」という凶悪なクアトロパンチが揃った現在の環境下では、純粋なステータス維持・PP獲得だけを目的に据えた場合、手放しで推奨しにくい数字になっているのが残酷な事実です。

もちろん、イスタンブールへの観光や旅行そのものを楽しむことが主目的であれば、日本発券と比較してベースの運賃が安いこの旅程は今でも十分に魅力的です。

しかし、もしあなたが「効率よく、コストを最小限に抑えてPPを積み重ねたい」という修行僧としての側面を重視するのであれば――。体力の限界を超えるような我慢が必要かもしれません。

東京モノレールを降りて、国際線出発ロビーの奥(3階)へと歩を進めるのではなく、手前にあるエスカレーターを上って国内線プレミアムクラスへと舵を切る。それこそが、現在の航空経済環境において最も合理的で、手堅く確実な選択肢と言わざるを得ません。

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

www.dangan-lucky.com

Copyright ©Dangan-Lucky All rights reserved.