ANAのプレミアムポイントが大きく変わるような記事が出ていましたので、想像してみました。
ANA、電子決済でも上級会員可能にという記事が
12月10日、国家公務員にボーナスが支給された日の夕方に日経新聞に下記のような手地が出ていました。
タイトルだけ見るとあたかも飛行機に乗らないで上級会員になれるようにも取れますが、本文中では、従来の搭乗して獲得できるプレミアムポイントに加え、ANAの電子決済「ANA Pay」やANAカードの利用額なども資格の基準に加えていくと言う内容であり、iPhone端末を大量に購入するだけでダイヤモンド会員になれると言うわけではなさそうです。
世間の評判を嗅ぎ取る記事のようなので、まだ、変更があるかもしれませんが、12月16日には表に出るようです。試金石からちょうど一年です。
本当はもっと時間をかけたのかもしれませんが、同社の事情が激変したため、前倒しで投入されたことが想定されます。
空PP and 陸PP なのか 空PP or 陸PPなのか
また、記事では従来と比較して、搭乗が少なくても、電子決済の利用があれば、低いプレミアムポイントで解脱できる記載されており、米系のようにand条件ではなさそうです。もっとも米系(アメリカ会員)では飛行機の利用金額に限定されおり、条件が二つあると言うことになりますが、結局、飛行機に乗ると結果的にお金は使うこととなります。
今回は、航空一辺倒の収益モデルから多角化し、新コロのような事態に陥っても、生きていけるモデルに変革すると言う観点からすると下記のようになるかもしれません。
空PPまたは空PP and 陸PP
となりそうです。つまり、飛行機搭乗がフル空PPコースよりも低い分、日常生活での利用分でカバーすると言うことになりそうです。
今後、昨日から開始したANA Payやクレジットカードでの立ち位置が変化するため、カード発行の旨味とかも特定の国際ブランドに傾倒する可能性もあり、意外と大きな話になるかもしれません。
決済ビジネスは多くの業種で参入しており、国民のほとんどが利用している携帯業界やGAFA、eコマースなど多く参入しており、どれだけ浸透するかはやってみないとわかりませんが、使う人は限られていても、頻繁に多額の利用があるエアラインなので太い客は多そうなのであり、エンゲージ度も高そうなので、無駄にポイントバラマキが少なくても延びて行くかもしれません。
兆候はあった
こうした動きの兆候は一年前からありました。それは会員限定のキャンペーンにそれを見ることが出来ます。
下記の二つのキャンペーンがそれにあたります。
ANAゴールドカード会員限定 2021年度「ブロンズサービス」メンバー体験キャンペーン
【特別なお客様へご案内】「ダイヤモンドサービス」+More 特典獲得キャンペーン
前者はANAカード(ゴールド/プレミアム限定)で300万円/年の決済をする代わりにブロンズ会員になるプレミアムポイントが半額の15,000ポイントで済むと言うものです。
もう一つがダイヤモンド会員限定で、ダイヤモンド会員以上のプレミアムポイント15万ポイントを一年以内に獲得し、ANAゴールドカードまたはANAカード プレミアムで500万円/年利用した場合に、+More特典を付与するものです。コロナ禍で12万と400万に最後は緩和されています。
前者では上級会員になる方法の選択肢を、後者ではダイヤモンド会員以上のステータスを提供するものとなります。
間口を広げつつ、広がった間口により、ステータスホルダー増加に対応し、新たな最高位を新設し、それを目指させてエンゲージをさらに高めていこうとしているのかもしれません。
ちょうど、上記のキャンペーンは12月15日で終了し、最終審議がされ、1000万円利用でダイヤモンドは5万PPとか、ダイヤモンドの上は15万PPかつカードと電子決済(2重とりはどうするか)500万円利用などを翌日から考えているのかもしれません。
海外会員ではANAの非航空事業の接点が少ないため、従来のプログラムとなり、上級会員増に伴い、改悪となる可能性もあります。まずは日本での地固めが最優先なのかもしれません。
スーパーフライヤーズカードの意義は
NH*G(スターアライアンスゴールド会員)資格が年会費を払う限り、永年続く、日本独特の仕組みですが、いきなりの廃止はなさそうです。
それなりにストックビジネスとなっており、新コロの現況では黙って会費をいただけ、それでいてラウンジの利用は少ないため、ウハウハかもしれません。
しかし、プラチナ会員が増えてくるとスーパーフライヤーズ会員の優先度は相対的に低くなり、メリットが薄れてくると言えます。
SFC修行から、空陸ハイブリットのプラチナ修行の方がメリットはあると言うことになるかもしれません。そうした、ゆるりゆるりと真綿で絞めて、SFC会員よりもエンゲージさせて、増収につなげていくことが想像されます。
最後に
お金のあるJALが昨日、2021年度の既上級会員向けのステータスポイントの実質的なハードルを下げた特別対応をしている中、ANAは次元の違うステータスプログラムを匂わせており、東京2020に向けて無理をした投資で痛い目に遇っていることも感じます。
競合他社への追随は近日には発表はあるとしても、台所は厳しいので正面を切って勝負に出るかは不明です。
イケイケどんどんだった携帯業界も通信以外の事業で収益が見えてきている会社もあり、空港に行かなくても、トリトンブルーとモヒカンブルーのロゴマークが浸透していくのかもしれません。
JALよりもANAの方が頭を使う修行ができ、老化防止につながるかもしれません。