ANAプレミアムクラスの新シートを早速試してみましたので、お伝えします。
新シート機材は722
伊丹、福岡、札幌と羽田間を頻繁に利用する方であれば、最近見慣れない機種番号が予約画面に表示されているのにお気づきかもしれません。
773や772や78Pに紛れて722という機種番号があり、これこそがプレミアムクラス新シートのボーイング777-200バージョンです。
今回搭乗した機材はボーイング777-200ER(JA715A)であり、もともとは国際線で運用されていた機材です。バンコク路線などで就航していた詰め込み仕様と言われていた機材のようです。個人的には金浦線でインボラに初めて遇った機材でもあります。
200ERのエンジンはPW4090であり、ANA国内線専用の777-300と同じものが装着されています。離陸時にエンジン全開にするときの音が特徴的なエンジンです。
写真では見づらいですが、ETOPSもペイントされています。
週末の羽田行きは満席
週末の新千歳発の羽田行きは人気なのか満席です。羽田着の時間は22時過ぎでありつつも、プレミアムクラスも満席です。
ラウンジを出る時間を見誤ったため、グループ1で搭乗できたのですが、すべてグループが搭乗のタイミングに搭乗となってしまいました。
シートのファースト・インプレッション
新シートはチャコールのような茶色のような落ち着いた色合いとレザーとファブリックの組み合わせであり、落ち着いた雰囲気です。
国内線でこれだけ大きいモニターが設置されていると不思議な感覚です。国際線のビジネスクレードルよりもモニターサイズは大きいのも特徴的です。
シートコントロールは電動式であり、できることはこれまでと変わりませんが、なんか豪華な気分になれます。
電源とUSBポートはセンターアームレストの下にある小物入れについています。これまで足元にあったのから比較するといいポジションです。短い電源コードでもポケットに入れてそのまま充電ができるので便利です。
シートモニターのコントローラーはシンプルであり、ノートパソコンのタッチパッドのように操作でき、直感的で良いです。でも、モニターを直接タッチした方わかりやすいです。
隣席とのディバイダー(仕切り板)は過去最大級の大きさであり、隣席を意識させません。窓側の座席のディバイダーは良いのですが、真ん中の3列の中央のシートの場合、ディバイダーに囲まれている感じが強いのではないかと思います。
シートテーブルは真っすぐ大きなテーブルです。このテーブルは過去で最も良いテーブルと感じます。パソコンを置いての作業をしても、マウスも使えそうですし、食事の時に蓋など置く場所に困りません。
デザインはゼブラウッド調であり、カラーはダークブラウンです。これまでのANAのテーブルと言うと、Club ANA時代から派生した赤っぽい木目(ウォールナット調)、Inspiration of Japan 時代のブルーカーボン調など変化が激しいですが、国際線The Roomに平仄を合わせているとは言え、今回は正常進化のようです。無難すぎるぐらいですが、いいデザインです。
スリッパはまだ紺色です。
機内誌は特に変わりません。今月の特集はチェンナイと滋賀だそうです。マイル/ホテル修行を想起してしまいます。
アームレストに設置されたカクテルテーブルは飛行機の垂直尾翼のようなデザインです。なんとなく持ち上げて広げられそうですが、それはできず、アームレスト側面についているサイドカクテルテーブルを引き出して利用できます。
窓と側壁は従来のものをそのまま利用しているようです。The Roomではブラインド仕様に変えるぐらいお金をかけていますが、プレミアムクラスではそこまでではないようです。
機内エンターテイメント
折角の大画面モニターで視聴できるコンテンツを確認してみました。
まず、映画ですが、邦画3タイトルのみです。飛行時間が短いためか見た目は寂しいですが、中身は良いタイトルが揃っています。
続いて、テレビドラマですが、孤独のグルメや科捜研の女のような定番の他に世にも奇妙な物語もあります。ドクターXがあっても良さそうですが、グッド・ドクターと被るためかリーガルVとなっています。
春に向けて半沢直樹や日曜夜9時つながりで下町ロケットなどがラインナップされると最強かもしれません。
バラエティーではチコちゃんもちょっと古いですがありました。元フランス大統領ではないようです。
思い切って国際線と同じコンテンツにしても良さそうですが、コンテンツのコスト構造は結構複雑なのかもしれませんね。
機内食
プレミアムクラスの機内食、とりわけ幹線は同社でもっとも力を入れるところです。グラスはプラカップではなく、国際線と同じグラス(東洋佐々木ガラス製)でのドリンク提供、アルコールにおいてワイン(泡)はシャンパン、食事はTHE CONNOISSEURS(直訳すると目利き)セレクションの名店の監修とJALのファーストクラスに対抗しているのが伺えます。
今回のお品書きは下記のとおりです。
穴子玉子焼き
銀ひらす粕味味噌焼き、秋刀魚幽庵焼き
鶏照り焼き
里芋彩り揚げ
栗甘露煮
ほうれん草お浸し
海老湯葉堤揚げ、紅葉麩
胡麻粥豆富
赤魚煮付け
牛蒡、大根、南瓜、里芋、隠元
鮭きのこご飯
揚げ茄子の味噌汁
ほうれん草と隠元以外(冷凍の場合はその限りではない)は調理前では保存が効き、調理後も時間が経つと味が染みそうな食材が多いようです。
欠航などにより、調理以前の断面で食材廃棄というロスを押さえているのかもしれません。
料理人からすると折角選んだ食材を調理もせず、廃棄するのはもっとも心苦しい瞬間とも言え、料理人の意思がある意味貫かれているのかもしれません。
また、食品廃棄ロスと言う社会課題に対して積極的に取り組んでいるならば、ポジティブであります。
国内線でも、シャキシャキレタスやベビーリーフのサラダに岩塩とオリーブオイルをかけて食べてみたいところではありますが。
最後、フライトルートはこんな感じでした。
最後に
降機時にiPhone11pro の超広角でプレミアムクラスを全景撮影してみました。縦4列となり、本格的なアッパークラスな佇まいを感じます。
シートの提供を含めて、ドメスティックなフライトで本格的なアッパークラスを提供しているのは日本とアメリカとオーストラリアぐらいです。
世界的には特異でありますが、こうした面でも磨き上げけることが、世界一のサービスを提供することにつながるのかもしれません。
プレミアムクラス新シートは次の国際線ビジネスクラスへの新たなフィードバックが含まれているのかもしれません。