ANAは2月22日に国内線で運行されているボーイング777型機の運航を停止しましたので、お伝えします。
ボーイング777型機の国内線の運航を停止
先日、発生したユナイテッド航空のボーイング777-200ER型機(エンジン プラット&ホイットニー式PW4090型)がデンバー空港を離陸した際に、エンジントラブルにより緊急着陸したことを受けて、ANAでは国内線専用で運行されているボーイング777-200系列と777-300型機の運航を停止しました。
前日に国土交通省より、PW4000系列型エンジンを装備したボーイング777型機に関する運航停止の指示を受けたものであります。
なお、国際線で運航されているボーイング777型機(300ER)については、エンジンはGE社製のGE90であり、問題ないということで運航されています。
正式にはこちらです。
プラット&ホイットニー式PW4000系列とは
PW4000系列は民間旅客機を中心とした航空機のエンジンであり、製造者はレイセオン・テクノロジーズ傘下の航空機用エンジンメーカーであるPratt & Whitney、プラット・アンド・ウィトニー社であります。
民間航空機のエンジンメーカーはイギリスのロールスロイス、アメリカのGE・アビエーションに次ぐ、大手航空機エンジンメーカーとなります。
日本国内線でも上記のとおり、使用されています。航空機のエンジンの音は金属音と轟音ですべて同じように思いますが、意外と違うものであり、同社のエンジン音は結構特徴的であります。
離陸の際などよく聞こえます。機内から以前、動画に収めた音であります。2:00ぐらいからエンジン音が良く聞こえます。
最近では羽田空港着時に南風の場合には新宿、渋谷の都心上空を飛行していますが、その際にも同エンジンの音が特徴的なので、地上からでもボーイング777というのが、わかります。
国内線B777全停止で国内線への影響は
ボーイング777は主に国内線では幹線(羽田と新千歳、沖縄、那覇、福岡、大阪伊丹)などで多く運用されており、繁忙期には多くの座席を有していることから、満席回避には最適な機材であります。
これから、緊急事態宣言とは言え、移動時期に差し掛かり、影響はあると言えますが、国際線の運航が縮小している中、国際線機材を用いてカバーすることは可能でしょう。特に国際線機材のボーイング787型機は78Mとして、半年ほど前から本格的運用され、実績もあるため、それでカバーはできるでしょう。
貨物への影響は
旅客需要は上記のように他の型の飛行機でカバーできると思います。しかし、ボーイング777型機の最大の特徴は床下の貨物室の積載量が大きいという点もあります。特に沖縄など貨物列車も通っていないような場所では航空貨物は重要な物流の存在であり、それがダウンするとなるとコロナ禍で需要が増加している航空貨物では打撃となることでしょう。
貨物のために、同じ国際線仕様ボーイング777-300ERを飛ばすという方法もありますが、ボーイング777-300型機と比較しても全幅(翼の長さ)が3.9mも長く、那覇空港ではゲートに接続するのが厳しく、バスで乗客を大量に運ぶ(沖止め)のにも難がありそうです。
JALは早速、77Wを那覇路線に導入しており、ANAの対応が気になるところであります。
最後に
これまで、全損事故や多数の犠牲者を出すような事故をほとんど起こしていないボーイング777型機に起きた運航停止でありますが、検査の上、問題があれば改善を行い、再び、空に戻ってほしいところです。今の需要であれば、このまま退役とかもあり得るかもしれませんが。
安全第一のため、急な措置であり、連休の最中に影響を受けた方もいるかもしれません。