
「日本のANAカードも、そろそろデザインが変わるのではないか?」そんな期待を抱いているANAマイラーの方も多いはずです。実は今、そのヒントは海を越えたアメリカにあります。2025年にリニューアルされた米国居住者向けの「ANA CARD U.S.A. Plus」が、これまでのANAカードの常識を覆すモダンな仕様へと進化を遂げたからです。一見、日本在住者には無関係に見えるこのカードですが、実はここには「日本の次世代ANAカード」を占う重要なトレンドが凝縮されています。
- ANA CARD U.S.A.とは?
- マイル積算とフライト特典
- クレジットヒストリー構築の「戦略的」活用術
- デメリットと注意点
- 結論
- 日本のANAカードの「次世代デザイン」として非常に有力なヒント
- 予測される「未来の日本版ANAカード」
- 最後に
ANA CARD U.S.A.とは?

米国生活の「最初の一歩」アメリカに渡ってまず直面する壁が「クレジットカードが作れない」という問題です。アメリカは超格付け社会であり、クレジットスコア(個人の信用度を数値化したもの)がなければ、アパートの契約や車のローン、ましてや高還元な現地カードの発行もままなりません。
ANA CARD U.S.A.は、日本のANAと米国のFirst National Bank of Omaha(FNBO)が提携して発行しているカードであります。最大の特徴は、「米国のクレジットヒストリーがゼロの状態でも、日本での実績や駐在員としての身分を背景に審査・発行してくれる」点にあります。
- ■ 年会費: $85
※以前の$70からリニューアルに伴い改定 - ■ 還元率: 1ドルにつき 1ANAマイル
★ANA航空券購入時は2倍(1ドル=2マイル) - ■ 入会特典: 初回利用で 5,000マイル付与
※期間限定キャンペーンでさらに上乗せがある場合あり - ■ 追加機能: 外貨事務手数料無料
★Foreign Transaction Fee $0(日本での利用もお得!)
劇的進化を遂げた「Plus」のリニューアルポイント2025年のリニューアルにより、この
カードは単なる「ヒストリー構築用」から、「メインカードとして長く使える」実用的な1枚へと変貌しました。外貨事務手数料の完全無料化旧カードでは、米国外(日本など)で利用すると約3%の手数料がかかっていました。
これは一時帰国中にカードを使うと「消費税に加えて3%の手数料を払う」ようなもので、非常に不評でした。新しくなったANA CARD U.S.A. Plusではこれが撤廃($0)されました。これにより、一時帰国時の日本での買い物や、第三国への海外旅行でも気兼ねなく利用できるようになりました。ステータス獲得の「ワイルドカード」機能ANAマイレージクラブの「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」といったプレミアムステータスを目指す修行僧や頻繁に搭乗するユーザーにとって、リニューアル最大の目玉は「ブロンズステータス獲得の緩和」です。
通常、ブロンズ会員になるには30,000プレミアムポイント(PP)が必要ですが、そのうち半分(15,000PP)はANAグループ便で稼ぐ必要があります。しかし、このカードの保有者は「ANA便でのPPが15,000に満たなくても、合計30,000PPさえあればブロンズ達成」とみなされる特別ルールが適用されます。
ユナイテッドでの移動がアメリカ国内線では多い人にはメリットがあります。まあ、スターアライアンスシルバーへの近道ではあるものの、SFC LITEと同等であり、あまりメリットは感じないところでしょう。
マイル積算とフライト特典
空の旅がもっと快適にANA CARD U.S.A.は、ANAマイラーにとって非常に効率的な設計になっています。フライトボーナスマイルANA便に搭乗するたびに、通常のフライトマイルに加えて25%のボーナスマイルが加算されます。
日米間の往復を繰り返す駐在員にとって、この25%の差は年単位で見ると数万マイルの差となって現れます。優先チェックインの権利たとえエコノミークラスのチケットであっても、このカードを提示すればANAビジネスクラス・チェックインカウンターを利用できます。
年末年始や夏休みなどの繁忙期、大行列を横目にスムーズに手続きできるメリットは計り知れません。
免税店・機内販売の割引ANA機内販売:10%OFF成田・羽田のANA DUTY FREE SHOP:10%OFFANA FESTA(国内空港売店):5%OFF空港でお土産を買う際、この5〜10%の割引は塵も積もれば大きな節約になります。
クレジットヒストリー構築の「戦略的」活用術
重要なポイントとしては、ANA CARD U.S.A.を作る本当の目的は、マイルを貯めること以上に「アメリカでの信用を積み上げること」にあります。SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)がなくても申し込める通常、米国のカード申請にはSSNが必須ですが、このカードは渡米直後でSSNが未発行の状態でも、パスポートやビザ、日本の勤務先情報などを基に審査を進めることができます。
SSN取得後に情報を紐付ければ、そこから本格的なヒストリー構築がスタートします。1年後の「卒業」と「二枚持ち」このカードで良好な支払い実績を1年ほど作ると、アメリカのクレジットスコア(FICOスコアなど)が700点台に乗ってきます。
そうなれば、アメリカ国内で最強の還元率を誇る「Amex Platinum」や「Chase Sapphire Preferred」といった超高還元カードの審査に通るようになります。日常の決済は高還元の米系カードANA便利用や一時帰国、ステータス維持にはANA CARD U.S.A.このように使い分けるのが、賢い在米日本人のスタンダードな戦略とも言えます。
デメリットと注意点
知っておくべきリスク完璧に見えるこのカードにも、いくつかの弱点は存在します。基本還元率の低さ: 1ドル=1マイルは、米国のクレジットカード市場(2〜5%還元が当たり前)の中では決して高くありません。日本でも100円1マイルぐらいは常識なので、160円で1マイルは結構、割高とも言えます。
審査は「100%通る」わけではない
駐在員には寛容ですが、学生や無職の場合は保証金が必要な「セキュアードカード」になる場合や、審査落ちする場合もあります。
日本での発行は不可
あくまで米国居住者向けのカードであるため、米国住所(アパートの契約など)が確定してから申し込む必要があります。
結論
ANA CARD U.S.A.は持つべきか?結論として、以下に当てはまる方は迷わず作るべき1枚です。渡米直後で、まだ米国のクレジットスコアがない方ANAをメインに利用し、マイルやステータスを重視する方一時帰国が多く、ドル建てで日本でも手数料なく買い物したい方アメリカのクレジットカード文化は、日本以上に「履歴」が全てです。ANA CARD U.S.A.はその履歴を安全に、かつ日本人に最適化された形で作るための「最強のチケット」と言えます。リニューアルによって「Plus」へと進化したこのカードを使いこなし、快適な米国生活と効率的なマイル獲得を同時に手に入れてください。
日本のANAカードの「次世代デザイン」として非常に有力なヒント
多くの読者は日本に住み、アメリカに住所がないと発行が出来ず、マイル還元率も低い同カードは何の有益なものではないと思います。しかし、唯一、役立つとするとANAカードの次世代デザインを読み取るヒントとなるかもしれません。
その理由は、クレジットカード業界における世界的なトレンドと、ANAのブランド戦略の統一性にあります。以下の3つのポイントから予測を深掘りします。
「エンボスレス(凸凹なし)」と「裏面番号」の波
米国のANA CARD U.S.A. Plusは、すでにエンボスレス(カード表面にカード番号の凸凹がない平滑なデザイン)を採用しています。
予測: 日本のANAカード(三井住友、JCB等)も、次回の大型更新時には表面から番号が消え、完全にフラットなデザインに移行する可能性が極めて高いです。
理由: すでに日本の三井住友カード(NL/ナンバーレス)などがこの流れを作っており、Visaが世界的に推奨しているタッチ決済の利便性を高めるためにも、物理的な凸凹は廃止される方向にあります。
「グラデーション」と「質感」の変化
現在の米国のデザインは、従来の「青いラインが数本入ったデザイン」から、より洗練されたグラデーションや光の反射を意識したモダンな意匠に変わっています。
日本のカードも、単なる「飛行機の翼」のイラストから、より抽象的でプレミアム感のある「空」や「光」を表現したミニマルなデザインに統合される可能性があります。
クレジットカードは今や「ステータス」から「ファッションの一部」や「デジタルデバイスとの親和性」を重視するデザインにシフトしているためです。
もしかしたら、数十年も続く、現行の機体ペイントからのリニューアルにも関わってくるかもしれません。
「ANA CARD」ロゴの配置とタイポグラフィ
ANA CARD U.S.A. Plusでは、ANAのロゴ配置が整理され、余白を活かしたレイアウトになっています。
日本国内版でも、ブランドロゴがより控えめに、かつ美しく配置される「ミニマリズム」への移行が予想されます。特に「Plus」という名称が日本でも採用される場合、デザインの統一感はさらに強まるでしょう。
予測される「未来の日本版ANAカード」

米国のデザインを踏襲すると、以下のような姿が見えてきます。
ANA CARD U.S.A.のデザインは、「グローバルスタンダード(世界標準)」への適応を意味しています。ANAは世界的なブランド統一を掲げているため、数年以内に日本のラインナップも、この「Plus」に近い、よりクリーンでデジタル時代にマッチしたデザインへと収束していくと予測するのが自然です。
「アメリカで先行導入されたデザインが、数年遅れて日本にやってくる」という流れは、カード業界において非常によく見られるパターンです。
最後に

「アメリカで先行導入されたトレンドが、数年遅れて日本にやってくる」——これはクレジットカード業界における一つの定石です。今回ご紹介したANA CARD U.S.A. Plusのデザイン哲学は、まさに世界基準(グローバルスタンダード)への適応そのものでした。
近い将来、私たちの財布の中にあるANAカードも、凸凹のないフラットな表面に、洗練されたグラデーション、そしてステータスを象徴するメタル素材といった「未来の姿」へとアップデートされることでしょう。米国版から始まったこの進化の波が日本に到達する日を、今は楽しみに待ちたいと思います。