5月29日から始まった一日限定のセールである「ANAにキュン」も今回で4回目。国内各地への限定ディスカウントは出尽くして、次はどこかなと思うとプレミアムクラスという意表を突いた企画となり、セールのお得度である割引率やマイル修行に必要なプレミアムポイント単価を計算してみました。
8月29日のANAにキュンの概要
8月29日1日限定の企画であるANAにキュンは航空券だけでなく、周辺のサービスでもセールを展開しており、欲しいタイミングや大きな買い物をするタイミングであれば、ここぞというチャンスとも言えます。
8/29一日限定の各企画は下記のとおりです。
ANAのふるさと納税返礼品 数量限定特別寄付金額
ANA Payでダブルマイル(Max5万円)
10月搭乗分 ANA国内線プレミアムクラス航空券セール
ANAトラベラーズ パッケージツアー 秋旅!北海道・九州・沖縄タイムセール!
ANAにキュン! 特別ホテルプラン
やはり一番、目を引くのがANAだけあり、プレミアムクラス航空券セールであります。これは後程フィーチャーしますが、以外では、大きな買い物や気に入ったものがあれば、ANA Payでダブルマイルやふるさと納税もいいですし、特別ホテルプランも自分にあったホテルが対象であれば、ベストと言えます。
ANA国内線プレミアムクラス航空券セール概要
今回の目玉とも言えるプレミアムクラス航空券のセール概要は下記のとおりです。
販売期間
2021年8月29日(日)0:00〜23:59
日曜日1日限定であり、後述するティスカウント率がもっともよいフライトはすぐに売り切れが想定されるため、土曜日に鉛筆舐め舐めで候補を絞っていくことが必要かもしれません。
緊急事態宣言マジックを使うのもよいかもしれませんが、人気の路線と日程はやはり混んでいるので、単価や人気に依存しないで自分の行きたいところに安くいくというのが今回は良いかもしれません。
搭乗期間
2021年10月1日(金)〜10月30日(土)
10月とこれまでは比較的天気も良く、比較的いい月でしたが、今は西日本では台風が当たり前となっており、折角立てた旅程がズタズタとなる可能性もあります。
一方で北日本は思ったより寒くなく、日中は汗ばむものの、夜は肌寒くすぐに眠りにつける可能性もあり、意外といいかもしれません。
対象路線
後述のとおりです。対象便は各路線で限られますので、気になる人は8月29日当日にANAの予約サイトでチェックが必要となります。
マイル積算率・プレミアムポイント
今回のセール運賃はANA VALUE PREMIUM 3、ANA SUPER VALUE PREMIUM 28が値下げの対象となります。これらの運賃のマイル積算率とプレミアムポイントの付与率は下記のとおりです。
プレミアムポイント・シミュレーションでは国内線の運賃に該当します。
プレミアムポイントの積算率は下記のとおりです。
125%+400PP
プレミアム株主優待と同等であり、普通席のスーパーバリューでは積算率が大きく下がりますが、プレミアムクラスは聖域の125%が確保されており、今回のセールのディスカウント率が高いと、それだけ、プレミアムポイント単価が下がることとなります。
路線別一覧と割引率、そしてプレミアムポイント単価
今回のセール路線は全国的であり、ANAのプレミアムクラスが設定されているほとんどの路線がセールであり、路線が多数あります。
今回は10月1日断面のANA VALUE PREMIUM 3またはANA SUPER VALUE PREMIUM 28の各運賃の最安値とANAにキュンの特別運賃と比較を行ってみました。
また、プレミアムポイント数とキュン特別運賃での単価を算出してみました。
キュン運賃は運賃の他に必要な対象空港発着便利用時のみ課金される旅客施設使用料は非考慮です。
羽田発着路線
まずは最多路線の羽田発着路線であります。
羽田発着 | 通常 | キュン | 割引率 | PP | PP単価 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 41,960 | 24,900 | 40.7% | 1,675 | 14.9 |
大阪伊丹 | 24,850 | 19,000 | 23.5% | 1,100 | 17.3 |
大阪関西 | 22,230 | 19,000 | 14.5% | 1,100 | 17.3 |
大阪神戸 | 22,690 | 19,000 | 16.3% | 1,100 | 17.3 |
福岡 | 44,000 | 25,000 | 43.2% | 1,817 | 13.8 |
沖縄 | 39,910 | 29,600 | 25.8% | 2,860 | 10.3 |
稚内 | 34,290 | 25,000 | 27.1% | 2,097 | 11.9 |
オホーツク紋別 | 24,990 | 20,000 | 20.0% | 1,957 | 10.2 |
根室中標津 | 26,290 | 20,000 | 23.9% | 1,912 | 10.5 |
釧路 | 26,190 | 20,000 | 23.6% | 1,787 | 11.2 |
函館 | 26,390 | 20,000 | 24.2% | 1,460 | 13.7 |
大館能代 | 26,890 | 16,300 | 39.4% | 1,185 | 13.8 |
秋田 | 16,690 | 15,000 | 10.1% | 1,097 | 13.7 |
庄内 | 16,790 | 15,000 | 10.7% | 945 | 15.9 |
富山 | 17,090 | 15,000 | 12.2% | 840 | 17.9 |
小松 | 15,690 | 15,000 | 4.4% | 927 | 16.2 |
能登 | 17,690 | 15,000 | 15.2% | 917 | 16.4 |
名古屋 | 15,130 | 13,000 | 14.1% | 882 | 14.7 |
岡山 | 22,090 | 15,000 | 32.1% | 1,290 | 11.6 |
鳥取 | 18,590 | 15,000 | 19.3% | 1,220 | 12.3 |
米子 | 23,290 | 15,300 | 34.3% | 1,360 | 11.3 |
萩・石見 | 19,590 | 17,000 | 13.2% | 1,585 | 10.7 |
広島 | 20,690 | 18,000 | 13.0% | 1,435 | 12.5 |
岩国 | 24,290 | 18,000 | 25.9% | 1,542 | 11.7 |
山口宇部 | 21,490 | 20,000 | 6.9% | 1,675 | 11.9 |
徳島 | 22,890 | 15,000 | 34.5% | 1,222 | 12.3 |
高松 | 21,490 | 15,000 | 30.2% | 1,285 | 11.7 |
高知 | 22,490 | 15,000 | 33.3% | 1,382 | 10.9 |
松山 | 26,590 | 20,000 | 24.8% | 1,495 | 13.4 |
大分 | 29,690 | 20,000 | 32.6% | 1,647 | 12.1 |
熊本 | 31,290 | 20,000 | 36.1% | 1,820 | 11.0 |
佐賀 | 30,790 | 20,000 | 35.0% | 1,860 | 10.8 |
長崎 | 29,490 | 20,000 | 32.2% | 1,925 | 10.4 |
宮崎 | 29,190 | 20,000 | 31.5% | 1,802 | 11.1 |
鹿児島 | 30,790 | 20,000 | 35.0% | 1,902 | 10.5 |
宮古 | 42,790 | 34,800 | 18.7% | 3,295 | 10.6 |
石垣 | 44,890 | 34,800 | 22.5% | 3,460 | 10.1 |
運賃の値下げ率でみると幹線の札幌、福岡や鹿児島をはじめとする九州各都市が大きく割り引かれています。もちろんこれはSVとキュン最安運賃の比較のため、全てがこれというわけではありませんが、割安という観点で言うと九州がねらい目かもしれません。
何とななく、8月搭乗のANAキュンで九州の搭乗が多かったことを踏まえて、プレミアムクラスでも結構いけるのではないかと考えているのかもしれません。
また、アッパークラスでのJAL対抗が見え、A359に運賃で対抗しているようにも見えます。
プレミアムポイント単価では安定の沖縄那覇や石垣、宮崎路線であります。
そして、割安さとプレミアムポイント単価を考えると佐賀、長崎などが優れていると言えます。2000PP近く積算され、それでいて単価は10円前半、割引率は3分の1と意外といいかもしれません。
割引はそうでもありませんが、2万円のオホーツク紋別も2000PP近く積算で単価も良いと言えます。
無難なのは沖縄であり便数とPP単価や大型機材など考えると普遍的な存在と言えます。
大阪発着路線
大阪発着路線は下記のとおりです。
大阪発着 | 通常 | キュン | 割引率 | PP | PP単価 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 26,030 | 25,000 | 4.0% | 2,065 | 12.1 |
福岡 | 19,570 | 15,000 | 23.4% | 1,117 | 13.4 |
沖縄 | 28,280 | 25,000 | 11.6% | 2,247 | 11.1 |
函館 | 29,060 | 20,000 | 31.2% | 1,845 | 10.8 |
仙台 | 23,190 | 15,000 | 35.3% | 1,390 | 10.8 |
松山 | 14,360 | 10,200 | 29.0% | 797 | 12.8 |
熊本 | 17,360 | 15,000 | 13.6% | 1,125 | 13.3 |
長崎 | 21,160 | 15,000 | 29.1% | 1,225 | 12.2 |
宮崎 | 21,460 | 15,000 | 30.1% | 1,130 | 13.3 |
鹿児島 | 19,660 | 15,000 | 23.7% | 1,222 | 12.3 |
札幌 | 26,270 | 25,000 | 4.8% | 2,065 | 12.1 |
札幌 | 26,210 | 25,000 | 4.6% | 2,065 | 12.1 |
沖縄 | 28,460 | 25,000 | 12.2% | 2,247 | 11.1 |
宮古 | 42,440 | 32,800 | 22.7% | 2,665 | 12.3 |
石垣 | 39,740 | 32,800 | 17.5% | 2,822 | 11.6 |
※緑塗は神戸発着、ムラサキ塗は関西発着となります。それ以外は伊丹発着となります。
大阪の割引率は羽田程ではないものの、函館、仙台、宮崎は30%以上であります。また、プレミアムポイント単価を見てみると全体的に渋いのですが、函館と仙台は単価的には多く、割引率とPP単価化すると函館と仙台が一択となりそうです。
どちらもプレミアムクラス搭乗にするほどの飛行時間があるのかは疑問ですが、普通席と天秤にかけて、予定が合えばGoかもしれません。
名古屋発着路線
名古屋発着路線は下記のとおりです。
名古屋発着 | 通常 | キュン | 割引率 | PP | PP単価 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 26,210 | 25,000 | 4.6% | 1,935 | 12.9 |
福岡 | 21,650 | 15,000 | 30.7% | 1,335 | 11.2 |
熊本 | 26,540 | 15,000 | 43.5% | 1,337 | 11.2 |
長崎 | 26,440 | 16,800 | 36.5% | 1,442 | 11.7 |
鹿児島 | 29,740 | 15,000 | 49.6% | 1,427 | 10.5 |
沖縄 | 30,360 | 25,000 | 17.7% | 2,422 | 10.3 |
宮古 | 41,340 | 34,800 | 15.8% | 2,847 | 12.2 |
石垣 | 44,440 | 34,800 | 21.7% | 3,010 | 11.6 |
名古屋はピーチ移管など寂しいニュースが続いていますが、今回のキュンはそれを打ち消すためか、割引率は国内最高峰にしたとも見えます。
特に鹿児島路線は約半額であり、プレミアムポイント単価は10.5円となっています。熊本と長崎の割引率も高く、秋は九州というのも良いかもしれません。
一方で安定の沖縄もPP単価は一番であり、便は限られるものの早くプレミアムポイントを積算したい場合には良いかもしれません。
福岡発着路線
つづいて、福岡発着路線です。
福岡発着 | 通常 | キュン | 割引率 | PP | PP単価 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 46,480 | 29,800 | 35.9% | 2,605 | 11.4 |
沖縄 | 22,630 | 20,000 | 11.6% | 1,742 | 11.5 |
石垣 | 32,910 | 25,000 | 24.0% | 2,242 | 11.2 |
福岡路線は距離が長い、言い換えるとプレミアムポイントがたくさん積算する路線が特徴であります。割引率では札幌が3割超でありますが、単価的には11円台となっています。先述の羽田路線かこの札幌であり、東京に行くか秋の北海道かという選択になりそうです。
沖縄発着路線
最後は沖縄県内路線です。
沖縄発着 | 通常 | キュン | 割引率 | PP | PP単価 |
---|---|---|---|---|---|
宮古 | 11,920 | 10,000 | 16.1% | 842 | 11.9 |
石垣 | 12,120 | 10,000 | 17.5% | 1,017 | 9.8 |
県内路線であり、割引率は渋いので、大したことがないと感じてしまいますが、PP単価は今回のキュン運賃では全国1位の単価となっています。
国際線ビジネスクラスでは単価10円以下は貴重でもあり、時間の短いフライトの路線では、繰り返しのフライトが実現でき、10円以下はある意味貴重かもしれません。
10月は重点的にISGピストンをするのは意味のあることがあるかもしれません。食べきれずに持ち帰るお菓子が半端なくなるかもしれませんが。
最後に
お盆時期にANAの九州方面の搭乗実績が多かったのがANAにキュンによる効果だったかは不明ですが、この企画は意外と盛り上がりがあるのかもしれません。
今回はプレミアムクラスという事で、普段普通席の人でも割引率が高い路線の場合は手が届き、一度乗ってみるのもよいかもしれません。
個人的には、西九州新幹線は来年開通ですが、10月最終日に今回のキュンで長崎に行き、翌日11月1日に出来立てのヒルトン長崎に滞在を考えてしまいます。