
かつては「修行の聖地」と呼ばれたクアラルンプールやシンガポール発券も、価格高騰や積算率の変更でかつての輝きを失った今、その昔、聖地でもあった今では珍しい「バンコク発券」で安いものが出てきました。
今回は、バンコク発券のビジネスクラスを考察してみます。
バンコク発券エアインディア・ビジネスクラスコペンハーゲン往復
今回は久方ぶりのバンコク発券です。スケジュールは以下のとおりです。
【OUTBOUND】 2026.06.12 (FRI)
AI 2333 08:40 BKK ⇒ 11:35 DEL
機材: Airbus A320neo (4h 25m)
➔ Delhi (DEL) Transit: 2h 25m
AI 157 14:00 DEL ⇒ 19:40 CPH
機材: Boeing 787-8 Dreamliner (9h 10m)
【INBOUND】 2026.06.19 (FRI) - 20 (SAT)
AI 158 21:10 CPH ⇒ 10:00 (+1) DEL
機材: Boeing 787-8 Dreamliner (9h 20m)
➔ Delhi (DEL) Transit: 1h 00m SHORT
AI 2332 11:00 DEL ⇒ 16:55 BKK
機材: Airbus A320neo (4h 25m)
バンコク-デリー間(A320neo):4時間半のリクライニング
この区間は残念ながらナローボディ機。ビジネスクラスといえど、シートはいわゆる「国内線プレミアムクラス」に近いリクライニングシートです。
「修行」と割り切れば十分な快適さですが、ここでフルフラットを期待してはいけません。機内食は本場のインドカレーが提供されることが多く、スパイスの香りが「デリーが近い」ことを実感させてくれます。
デリー-コペンハーゲン間(B787-8):ドリームライナーのフルフラット
ここからが真のビジネスクラス。9時間を超える長距離区間は、ボーイング787-8「ドリームライナー」が投入されます。
シートは2-2-2配列のフルフラット。最新鋭の機材と比較するとやや世代を感じるかもしれませんが、足を伸ばして眠れる恩恵は絶大です。北欧への長旅、目覚めればそこはコペンハーゲン。修行僧にとっては、体力の温存こそが次のフライトへの最大の武器となります。
去年の同社B787と言えば、少し不安にはなりますが、まあ、めったに起きることではないですから。
ルートマップ

今回、実績ベースで確定したマイル数は以下の通りです。
| 区間 / ルート | 区間マイル | 機材 |
|---|---|---|
| BKK ↔ DEL Bangkok - Delhi |
1,832 | Airbus A320neo |
| DEL ↔ CPH Delhi - Copenhagen |
3,634 | Boeing 787-8 |
| 合計(片道) | 5,466 | - |
| 往復総計 | 10,932 | miles |
BKK-DEL(4時間25分)
中距離路線ながら、積算マイルは1,832マイル。ここではA320neoというナローボディ機が投入されますが、飛行時間が5時間弱と短いため、体力的負担は最小限に抑えられます。
DEL-CPH(9時間10分〜20分)
ここからが本番のロングホールです。3,634マイルの長距離を、ボーイング787-8ドリームライナーが担います。この9時間という時間は、フルフラットシートでしっかりと睡眠を取り、機内食を楽しみ、北欧到着後の活動に備えるのに理想的な長さと言えます。
運賃・予約クラス・プレミアムポイント
運賃・予約クラス・プレミアムポイントは以下のとおりです。
51,775 THB
約 254,733 円
※1 THB = 4.92 JPY(2026年4月時点)
| Route / Aircraft | Miles | PP (125%) |
|---|---|---|
| BKK ↔ DEL A320neo |
1,832 | 2,690 |
| DEL ↔ CPH B787-8 |
3,634 | 4,942 |
| 往復合計獲得ポイント | 15,264 PP | |
16.69 円
※機材:BKK-DEL間はナローボディ、DEL-CPH間はドリームライナー(フルフラット)予定。
現在の為替レート(1 THB = 4.92 JPY)を反映させると、総額は約25.4万円となります。以前のような「PP単価1桁」の神案件が激減した昨今のマイル界において、欧州ビジネス往復で16円台という数値は非常に魅力的です。
予約クラスが「Z」であることであり、バンコク発券では珍しい高単価でもあります。ANAマイレージクラブにおける積算率は125%。さらに搭乗ポイント400PPが各セグメントに加算されるため、1回の往復で15,264 PPを一気に稼ぎ出すことができます。
6月のコペンハーゲン

6月のコペンハーゲンは、一年で最も輝かしい季節です。夜の22時を過ぎても空には薄明かりが残り、街全体が黄金色のフィルターに包まれたような錯覚に陥ります。
「ニューハウン」のカラフルな木造建築が運河に映る様を眺めながら、地元の人々に混じって冷えたカールスバーグを手にする。これこそが、デリーでのタイトな乗り継ぎを乗り越えた者だけが味わえる、最高のご褒美です。湿度のない、さらりとした風が通り抜ける瞬間、長時間のフライトで強張っていた身体が、ゆっくりと解き放たれていくのを感じるはずです。
コペンハーゲンの街を歩けば、至る所で「ヒュッゲ」デンマーク人が大切にする、心地よい時間や空間を目にします。
運河沿いのデッキで読書に耽る人、自転車の荷台に子供を乗せて颯爽と駆け抜ける親、公園の芝生でピクニックを楽しむ若者たち。彼らの日常は、どこまでもシンプルで、かつ贅沢です。
一人で訪れる修行僧にとっても、この街は温かい。ストロイエの路地裏にある小さなカフェで、温かいデニッシュ・ペストリーと共に、ただ行き交う人を眺める。効率や単価ばかりを追い求めてきた日常から離れ、ただ「今、ここにいる」という贅沢な孤独を愉しむ。これこそが、単なる移動ではない「旅」としての修行の醍醐味ではないでしょうか。
最後に
エア・インディアという、ある種の「クセ」がある航空会社を選ぶことは、効率第一の修行僧にとっては一つの賭けかもしれません。しかし、デリーでの緊張感ある乗り継ぎを乗り越え、たどり着いた北欧の柔らかな光の下で飲むビールは、どんな高級ラウンジのシャンパンよりも格別な味がしました。
効率と情緒が交差するこのルートは、ステータスという名の「鎧」をまとう我々サラリーマンマイラーにとって、今最も選ぶ価値のある旅の一つと言えるでしょう。さあ、次はどの空でPPを刻みましょうか。マハラジャの翼が、あなたの修行に新しい風を吹き込んでくれるはずです。