KLMオランダ航空のボーイング777-200ER型機のビジネスクラス(同社ではワールドビジネスクラスという)のジャカルタ=クアラルンプール間に搭乗しましたので、お伝えします。
ワールドビジネスクラス
KLMオランダ航空はアムステルダム・スキポール空港をハブとして、世界各地に就航しており、近隣の国の航空会社がファーストクラスを設定している中、ビジネスクラスが最上位クラスとなっています。同社では「ワールドビジネスクラス」と言う名称でサービス提供をしています。
ボーイング777-200ER型機のビジネスクラスシート
最新のボーイング787-9型機では、1-2-1配列の新タイプのヘリンボーン配列ですが、ボーイング777-200ER型機では、シート配列は2-2-2でそれぞれのシートは斜めに配列されており、十分なスペースが確保されています。体格の大きい人が多いオランダらしい配慮とも言えます。シートピッチは63インチ、シート幅は20インチです。リクライニングはフルフラットとなり、ベッドとして利用することができます。
ビジネスクラス搭乗記
搭乗
ビジネスクラス利用のため、スカイチーム上級会員でなくても、SKY PRIORITYを利用することができます。ジャカルタ・スカルノハッタ国際空港のターミナル2はゲートにベンチが集中しており、SKY PRIORITY専用のベンチ区域でもかなり混雑しています。
搭乗が始まり機内に。搭乗した瞬間からヨーロッパを感じるようなデザインです。
シートピッチは余裕の広さです。モニターも大きく、映画など楽しめます。ただし、2-2-2配列のため、隣席に人がいる場合はどんな映画を見ているかわってしまいます。
電源についてはユニバーサルタイプのコンセントとUSBポートとヘッドホンジャックが右側上方のまとまった場所にあります。シートモニターのコントローラーはカラー液晶のついた多機能タイプですが、モニターはタッチパネルであり、そっちの方が便利です。セーフティーボードや雑誌はシンプルです。
離陸まで
ウェルカムドリンクはシャンパンをお願いするとグラスは本格的なカットグラスで足もついています。伝統のプラカップも良いですが、本格的なグラスに注がれると旅情が盛り上がります。ウェルカムドリンクの後は、短距離利用でありながらアメニティキットも配られます。中身はオーラルキットと靴下とブラシとアイマスクだけですが、短距離で提供されるのはサプライズです。
ドアが閉まり、ベルトサインが点灯し、セーフティビデオが流れます。最近の航空会社はセーフティビデオにこだわっていますが、KLMオランダ航空もなかなかの内容でした。同社のコーポレートからのブルーで描いたコンテ画風の動画で安全について説明がされています。ヨーロッパの中心にある国だけあり、洗練されています。
機内食
離陸すると機内食メニューが配布されます。メニュー自体はシンプルであり、料理の選択は2種類でした。機内食の王道のビーフを依頼してみました。ちなみにアムステルダムまで搭乗する人は結構パスする人が多く、眠りを優先している人が多いようでした。
短距離線のため、前菜、主菜、パン、デザートはワンプレートでの提供ですが、2時間程度のフライトとしてはかなり豪華な内容となっています。また、食事が盛られている食器が美しい点とカラトリーのデザインがこれまで搭乗した航空会社では最も美しいものでした。また、塩と胡椒のケースも赤い靴の形をしており、ユーモアとこだわりが感じられます。
味付けは全体として濃く、赤ワインがすすむメニューであり、ワインはあっという間にグラスからなくなってしまいます。食事も終わりに近づき、コーヒーを注文している乗客が多い中、何も言わずに空いたワイングラスを置いていると、ベテランのCAさんは乗客の表情を汲むのにたけているのか、「もう一杯飲みたそうですが、いかがですか」と笑顔で注いでくれました。
タイミングが絶妙である事と心が読まれたことに感心してしまいました。
到着
スマトラ島を北上し、クアラルンプールに近づくと、CAさんからお土産が配られます。お土産はデルフトブルーのKLMオリジナルのミニチュアハウスであり、100種類近くあるようです。
このミニチュアハウスをたくさん保有しているということはKLMワールドビジネスクラスをたくさん利用しているということにもなりそうです。デルフトブルーとはオランドの街のデルフト産の陶器のことで、有名な陶器だそうです。ちなみにミニチュアだけかと思うと、中にはジン(お酒)が入っており、寒い冬に到着した際に、気付けの意味があるのかもしれません。
ほぼ定刻通りにクアラルンプール国際空港(KLIA)ターミナルMに到着。飛行機自体はこの先アムステルダムまで飛ぶため、完全に停止する前にドアモードが変更され、クアラルンプールからお客さんを極力待たせないような雰囲気でした。この日はクアラルンプール滞在のため、ターミナルMからシャトルに乗り、ピンクのトンネルを抜けて本館に移動しました。
最後に
搭乗した時からヨーロッパのエアラインであり、オシャレでモダンなシートや機内食を堪能することができました。距離は700マイル程であり、大阪から沖縄に行くより少し短い距離ですが、サービスはワールドビジネスクラスそのものでした。クアラルンプールで降機せずにこのままアムステルダムまで行きたい気分になりました。