
ANAの2026年度のグループ航空輸送事業計画が公表から約半月が経過しましたが、一部内容に変化があるように見受けられたため、改めて整理してみました。
2026年度 ANAグループ航空輸送事業計画の改定
ANAホールディングスは、2026年1月20日にグループの航空輸送事業計画を公表しました。
内容としては、国際線の強化と、国内線の収益化を目的とした再構築が主な方向性となっています。こちらも、参考にしていただければと思います。
ところが、2月3日(節分)に改定版として、再びニュースリリースが発出されました。
間違い探しみたいな感じでどこが改定されているのか不明なので、AIに2つのページの差分を調べてもらいました。すると以下のような指摘がありました。
この結果、成田―ホノルル間のフライングホヌ運航計画に関する差分が生じていることが分かりました。
フライングホヌは減便されるのか
1月20日時点の発表では2025年度と2026年度の比較ではホノルル便は毎日、成田と羽田合わせて3便の運航があり、2026年度もそのまま、そのまま継続(毎日3便体制))でしたが、2月3日の発表では先述のとおり、成田=ホノルル線(NH182/181)の減便について、追記されていました。
詳細は以下のとおりです。
【減便対象期間】
- 2026年5月11日 〜 7月16日
- 2026年9月2日 〜 11月5日
- 2026年11月21日 〜 12月16日
- 2027年1月11日 〜 3月18日
基本減便曜日: 月・水・木・土
⚠️ 5月・9月のイレギュラー設定:
▼運休:5/15(金), 17(日), 19(火) / 9/18(金), 20(日), 25(金), 27(日), 29(火)
▼運航:5/14(木), 18(月), 20(水) / 9/19(土), 24(木), 26(土), 28(月), 30(水)
概要としては、閑散期の特定曜日を対象に減便を行うという内容です。
まあ、土日中心の休みでない人にとっては影響はありそうですが、NH184/183便は毎日であり、そこまで需要が下がるのであれば、あまり迷惑はなさそうでもあります。
なぜ減便(間引き)を行うのか
では、なぜ、計画公表後すぐに詳細な運休日まで示したのかというと、1月中にリリースを出すと言う事であったものの、ホノルル線だけは精査が間に合わずに、基本線としては毎日運航なので、それとして出したものの、データ結果が出ると精緻に運航と運休を示した方が良いとなり、改定として追いリリースしたと考えられます。
では、このように細かく、運休と運航を設定した背景としては、おおよそはわかるかもしれませんが、以下のとおりです。AIは以下のようにまとめてくれています。
✈︎
航空業界は持続可能な航空燃料(SAF)の導入コスト増や、人件費の高騰、そして円安による海外オペレーションコストの膨張に直面しています。「空席を抱えて飛ぶ」ことは、数年前よりも遥かに大きな経営的ダメージを意味します。
注釈「※4」で示された減便期間(5月~7月中旬、9月~11月上旬、11月下旬~12月中旬、1月中旬~3月中旬)は、日本のレジャー市場における「絵に描いたような閑散期」です。この期間に「月・水・木・土」という、週末に絡まない平日をピンポイントで間引くことで、A380へ乗客を集約させ、1便あたりの搭乗率(ロードファクター)を最大化させる狙いがあります。✈— ANA 2026年度 航空輸送事業計画(改訂版)分析 by AI
コスト面での負担が増していることに加え、供給過多に陥る局面もあります。需要が旺盛であれば、インフレ局面でも運賃を引き上げ、収益拡大を図ることが可能ですが、空席が多い状況ではそうもいかず、運航しない方が得策となります。ここまで細かく運航計画を設定している背景には、客層が比較的単一で、需要データの傾向が把握しやすく、対策を講じやすいという、ANAホノルル路線特有の事情があるのかもしれません。
羽田シフトに対する成田便の「調整弁」という見方もありますが、これは数年前までの話かもしれません。今後、成田空港での滑走路新設が進めば、そのような位置づけも成り立たなくなり、次期中期経営戦略でも同様の方向性が示されています。
本来のビジネス需要や人口減少を踏まえると、インバウンド需要が失われた場合に成田はどうなるのか、考えさせられます。
長期的にはレアアースが南鳥島近海で事業化したり、いわゆる「21世紀の冷戦」とも言える状況が生じた場合には、極東ではあるものの、西側の砦として需要が生まれるかもしれません。
それにしても、極めて細かい設定
それにしても、運航日と運休日が3か月先までとは言え、確定しているのはマイクロマネジメントなのか、それとも別の事情があるのかと感じてしまいます。なぜ、計画公表後すぐに詳細な運休日まで示したのかというと、ホノルルらしい特殊な事情があるようです。
その1つとしては、ウエディング事情があると言えます。人口が減り、晩婚化だとまだいいですが、結婚しない人が増えている21世紀であります。
ある意味、結婚し、挙式を挙げる人がどの程度主体的に判断しているのかは分かりませんが、財があり、それを盛大に沖縄やハワイで挙式を上げる人もいるでしょう。意外と身近でもそうしたことを耳にしたりもします。
―― まあ、マイルがたまると言ってもホノルルの挙式には行きませんが。
そうしたホテルや挙式会場は、1年前から予約が入ります。航空会社が「直前になって減便を発表する」ことは、顧客満足度を著しく下げ、旅行代理店との信頼関係を損ないます。 そうしたこともあり、運航日などを改定して出してきたのも考えられます。
最近は、ビッグデータで結論付けた行動も長続きせずに、持続的に収益に寄与せずになかなか悩ましい中で、ホノルル路線ではベタな結果が出ているのかもしれません。
国内線や東南アジア路線とは違い、わかりやすい戦略が立てられそうですね。まあ、実際は傍から見ているのと違うかもしれませんが。
最後に

記事内でも触れた「ウエディング事情」のように、ハワイ路線はアメリカではあるものの、日本の豊かさとライフスタイルの象徴にも感じます。まあ、二極化して、それを引き継いでく富裕な血筋と、縁なく国内でシングルで暮らす人々、色々であります。個人的には後者です。
富める者はハワイでの挙式や家族旅行は、より「高付加価値で特別なもの」へとシフトしているでしょう。普段の仕事の場では気づきにくい格差が生まれている証なのかもしれません。
しかし、ANAがここまで細かく、かつ執念深くホノルル線のスケジュールを調整するのは、この路線が単なる移動手段ではなく、対顧客的には、「一生に一度のイベント」を支えるインフラであることを改めて意識している側面もあるのでしょう。
加えて、スカイマークの囲い込みで過去の経緯で抱えることになった機材を、退役までいかに有効活用し、採算を維持するかという事情もあるでしょう。戦略的には欧米のようですから。
もっとも、777-9が来年就航するかどうかにもよりますが、その姿通り、亀のようにゆっくりながらキャッシュを稼ぐ、キャッシュカウならぬ「キャッシュタートル」として、時間をかけて着実に収益を生む存在なのかもしれません。