一度はやってみたい世界一周ですが、マイルで航空券を予約しようとするとどれだけのマイルが必要で、どんなルートを利用したらいいのか、さらに、折角ルートを決めても空席がないと先に進めず、思いのほか難しいチケットです。また、ANAでは、世界一周航空券はインターネット経由ではなく、サービスデスクに電話をして予約発券します。電話をしている間はほかのことができないため、時間をとられてしまいます。そこで、スムースに予約・発券できる方法を整理してみました。
ANA世界一周特典航空券
太平洋と大西洋を1回飛行機で横断、最低10日以上必要、最大8回の途中降機(次のフライトまでの時間が24時間以上の滞在)が可能です。また、最大12フライトとなるようです。
ANAホームページでは下記の通り記載されています。
世界一周の旅程のみ、全旅程の距離（区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めません。）に応じて必要マイル数を算出します。太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要があります。ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りはできません。出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能です。（ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回までです。）また、出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能です。※ANAウェブサイトではご予約になれません。ANAマイレージクラブ・サービスセンターにご連絡ください。
ルートを決定
スターアライアンスホームページを活用
まず、どこに行きたいかを決めます。その目的地までスターアライアンス便が就航しているか確認する必要があります。検索するのに用いるのはスターアライアンスホームページにある目的地ファインダー(無料)です。目的地にカーソルを運び、クリックするとshow destinationとでてくるので、それをクリックすると就航地が出てきます。これで日本からのルートや最初の目的地から次の目的地までのルートを探っていきます。直行便がない場所は最寄りのハブ空港からのルートをメモしておきます。
http://star-alliance.innosked.com/default.aspx
大都市間のフライトよりも直行便
ハブ空港となっている大都市空港間はたくさんフライトがありますが、マイルの空席が思いのほかないことがあります。そうしたときは目的地ファインダーを利用し、直行便を検討してみた方がいい場合もあります。
例えば、ボストンからコペンハーゲンに行く場合、ニューヨークを経由してロンドンに到着し、さらにロンドンからコペンハーゲンに乗り継ぐのが便数は多いですが、ボストンとコペンハーゲンの直行便もあり、空席があれば飛行マイル数を削減できます。
マイル数を確認
おおむねルートが決まったら次はマイル数の確認です。ANAの世界一周特典航空券では下記の通り、飛行するマイル数により、使用するマイル数が決まっています。
ここで注目したいのが、飛行マイル数と必要マイル数が等比の関係ではない点です。例えば、ビジネスクラスにおいて、飛行マイル数7,001～9,000マイルの場合、68,000マイル必要ですが、その一つ上の9,001～11,000マイルでは85,000マイルです。あと2,000飛行マイルのためにあと17,000マイルが必要です。一方で、9,001～11,000マイルと11,001～14,000ではあと3,000飛行マイルであと5,000マイルが必要です。この差分を理解して、ルートを区界ぎりぎりに収めるか、割安な区界の上限内でルートを決めるなどがいいと思います。
そして、各区間のマイル数を把握するには、区間マイル数を検索するサイトがあるため、それを利用するのがいいと思います。たくさん無料サイトはありますが、自分が良く利用しているのは下記のサイトです。サイトがシンプルで検索結果も早いです。
MileCalc :: The Ultimate Mileage Calculator for Frequent Flyers
空席をチェックする
ルートを決めマイル数をきめても特典航空券の場合、空席がないと予約できません。ANAのホームページの特典航空券の検索サイトで検索することとなりますが、同サイトは往復検索向けに作られているため、多くのルート検索には向いていません。また、空席がない場合は、何も表示されないため、対象のルートが存在するのか自体わからないこともあります。また、システムがクラウドか何かのため反応が遅く、インターフェースの反応もイライラすることもあります。
サードパーティーの検索サイト
そこで、サードパーティーの検索サイト利用が候補になります。そうしたサイトはたくさんあり、無料のサイトではBCD travelが有名です。ただし、無料サイトでは検索ごとにロボットではない証明のためのcaptchaを入力が必要で、特典航空券の予約クラスが出てこないこともあり、目安としてはいいのですが、しっかりとしたルート決めには有料サイトの方がいいと思います。
Flight Availability - BCD Travel
有料サイトもたくさんありますが、有名なところではExpert flyerがあります。有料の場合、特典航空券の空席が検索できます。有料にはランクがあり、月額4.99USDのベーシックと月額9.99USDのプレミアムがあります。プレミアムの場合は検索が無制限であり、対象日前後3日も同時に検索できるなどメリットがあります。最低利用は1カ月単位なので、予約発券をする1カ月前から検索して、1カ月経過したら継続しないという利用方法もあります。
利用にあたっては住所やカード情報の入力が必要です。入力が完了し、利用できるようになると左上のメニュー画面に「Awards & Upgrades」があり、クリックすると検索画面になります。
必要事項を入力し、航空会社を選択し、希望クラスを入力して検索すると結果が出てきます。結果は以下のようにYes/NOで表示されます。
英語表示でシンプルなため慣れるのに多少時間がかかりますが、慣れると短時間で大量の検索ができます。あまり大量に検索するとロボットではない証明のためのcaptcha確認がありますが、一度入力するとまた暫く検索できます。
注意点としては、運航会社ごとの検索となるため、ユナイテッド便を検索する場合は、航空会社をユナイテッドに変更する必要があります。
スターアライアンスの場合、加盟航空会社で同じような特典航空券が存在するため、航空会社は異なっても特典予約クラスはほとんど同じです。ファーストの場合Oクラス、ビジネスの場合Iクラス、エコノミーの場合Xクラスです。
Expert flyerで空席あり=ANA特典空席ありが100%ではありませんが、Expert flyerで空席がある場合、ANAで検索するとほぼ空席がでてきます。
サービスデスクに連絡する
上記でまとめたルートをもとにサービスデスクに連絡して、予約・発券してもらいます。あらかじめルートを決定し、空席がある場合においても全行程予約してもらうのは時間がかかるため、連絡が完了できたら連絡してもらうようにした方が時間の削減もできると思います。また、インターネット経由とは違い予約と発券が同時ではなく、予約してから3日以内の発券期限があるため、予約完了後に気が変わる可能性もあり、期限まで熟考するのが良いと思います。
サービスデスク経由では発券手数料が発生
最上級会員のダイヤモンドメンバー会員以外の会員の方はサービスデスクで、新規発券や変更をする場合、発券手数料が発生します。こちらはクレジットカードでの支払いとなります。発券国により、手数料が異なるため、下記サイトを参考にしてください。
サービスデスク経由の場合、スカイコインで支払いができない
世界一周特典航空券はサービスデスク経由での予約発券となります。チケット自体はマイルを利用して発券しますが、それとは別に空港使用料・燃油サーチャージ等は実費が発生します。インターネット経由かつANA便であれば、こうした手数料はスカイコインで支払うことが可能ですが、世界一周のルートはANA便(主に大西洋区間)以外のフライトに搭乗することとなるため、ANA便に限りかつインターネット経由に限られるスカイコインでの支払いができないのが注意点です。旅行の予算を立てる上であらかじめ計上しておく必要があります。また、日本以外の国から別の国に移動する場合、入国に関する制限(ビザ、ワクチン接種)もありますので、あらかじめチェックと対処をしてください。
最後に
世界一周を計画してもルートの設定や空席が出てこないことで頓挫してしまいますが、上記ツールを使うとスムースに予約・発券できると思います。検索のために1,000円程度かかりますが、ルート検索で面白いルートの発見や航空会社ごとの特典の空き状況を把握できます。また、妄想で世界一周ができるのでこの作業自体が楽しいかもしれません。
