弾丸トラベルは怖くない!

マイル、飛行機、鉄道、海外・日本国内トラベル情報、ホテル、海外発券など

ダイヤモンドメンバーから見たANA ホノルル線用エアバスA380

スポンサーリンク

ANA A380 blue

ANAが2018年4月25日に翌年春から運航を開始するホノルル線に特化したエアバスA380-800の機材のシートを中心とした概要を発表しましたので、お伝えします。 

A380-800の概要

機体カラー

ANA A380 green

ANA A380 orange

機体カラーは最初に公表された時点では、ANAらしいブルーだけでしたが、保有されるとする機材をそれぞれ色分けし、ブルー以外にエメラルドグリーンとサンセットオレンジが追加されたのはサプライズであります。

シートスペック

ファーストクラス

fANA A380 first

シート配列は1-2-1であり、座席数は8席と既存の機材と変化はありません。これは、行き届いたサービスを提供するためには8席が上限なのか、それ以上設けても不採算となるかわかりませんが、8席です。特筆すべき点としては、扉が付き、完全にシャットダウンされた空間ができるようです。スペースについてはシートモニターのスペックは大幅に改善していますが、現行のファーストクラスとはあまり変わらないようです

ビジネスクラス

ANA A380 biz

ビジネスクラスについては現行の「ビジネス・スタッガード」と同等であり、路線の特性により、ペアで搭乗することを想定し、隣席とのシートの近い配置で設定されているのが特徴的です。シートモニターのサイズなどのアップグレード以外は現行のビジネスクラスと同等と言えます。

プレミアムエコノミー

ANA A380 py

今回の発表で最も驚いたのが、プレミアムエコノミーです。シートスペックとしては、シートピッチ38インチとこれまでのANAのプレミアムエコノミーと変われませんが、エアバスA380という大型機材を利用して、73席も用意されています。シート配列はエアバスA380の2階席の後方ということもあり、後ろに行くほどスペースは狭くなりますが、2-3-2配列となっています。ルフトハンザやシンガポール航空では、前方よりの配置ながら、2-4-2配列であり、そこから比較すると余裕があるように思います。

そうした意味においては、当初は期間限定運賃も想定され、プレミアムエコノミーの運賃で搭乗するのはとても価値があると思います。 

エコノミークラス

エコノミークラスは横10列という、詰め込み仕様ではありますが、シートピッチは34インチ国際線標準を確保しており、8時間前後のホノルルフライトでは、十分だと思います。

エコノミークラスシートカウチ

ANA A380 couchii

ニュージーランド航空が採用して注目を集めたシートであり、フットレストにあたる部分が座面の同じ位置まで上昇することにより、フルフラット空間ができる仕様となっています。隣席に人がいなければ横たわった到着まで熟睡もできます。このシートの効果がどれくらいかわかりませんが、空席が多い時はカウチシートのエコノミーでなくても、フルフラットで眠れそうです。

ダイヤモンド会員のメリット

プレミアムエコノミーの座席数

ANA A380 seatmap

今回の機材の概要で驚いたのは。プレミアムエコノミーが73席も設定されていることです。ビジネスクラスは56席であり、プレミアムエコノミーの座席がそれを上回っています。プレミアムエコノミーのシートがこれほど設置されたのは過去に聞いたことはなく、同じくA380を運用し、プレミアムエコノミーの座席を設置するルフトハンザやブリティッシュ・エアウェイズよりも多く、おそらく、プレミアムエコノミーとしては世界最大規模の座席数となります。これだけの座席数を裁くためには、有償運賃だけでは厳しいと思われ、ダイヤモンド会員への開放はかなりあると思います。ダイヤモンド会員も年々増加しているので無理な時は無理かもしれませんが、プレミアムエコノミーアップグレードは期待できると思います。また、ビジネスクラスヘのアップグレードは現在のボーイング777-300ERでは、結構確率が高いため、できるだけ上級会員の方がいいと思います。

どこから出発すると運賃は安くなるのか

日本発

ANAでは現在、成田空港発のホノルル便は一日2往復しています。いずれもボーイング787-9型機で運用しており、215席から246席の仕様であり、これが2便ともエアバスA380に置き換えた場合、提供座席数は単純に比較しても、倍以上になります。仮に、JALが対抗策としてボーイング777-300ERを投入した場合の機材あたりのクラス別の座席数は下記の通りとなります。

クラス JAL ANA
First 8 8
Business 49 56
Premium 40 73
Econimy 147 383

ファーストクラスは同等ですが、それ以外のクラスではANAの方が圧倒的に多く、運賃は安くなる可能性があります。もちろん、新機材を取得した費用の償却やプロダクト開発費用のコストをどれくらいで回収するかによって運賃は変わってきますが、ANAにとっては、できるだけたくさんの人に着席してもらうとマネタイズする目論見はあるようです。

加えて、倍の座席を埋めるためには対抗するには東京発のJALの座席を奪うことだけでは、厳しいと思います。JALでは、関西と名古屋からホノルルに直行便を就航しており、ここもターゲットにしていると思われます。すなわち、名古屋や関西発成田経由のANAの運賃は特別運賃を提供する可能性もあります。特に関西発は、エアアジアやスクートがホノルルに直行便を就航しているため、そことも勝負をする可能性もあります。また、提携を解消したハワイアン航空が就航する都市(新千歳)もターゲットとなるのではないでしょうか。

海外発

日本人の需要では不採算な時期もあると考えられ、そうした時期には、ANAが20年以上かけて張り巡らしてきたアジアのネットワークを活用して、日本以外のホノルル需要を喚起する可能性もあります。ホノルル空港にはアジアからも直行便や経由便が乗り入れており、下記の通りです。

都市 キャリア アライアンス
北京 エアチャイナ スターアライアンス
上海 中国東方航空 スカイチーム
ソウル アシアナ航空 スターアライアンス
大韓航空 スカイチーム
台北 チャイナエアライン スカイチーム
マニラ フィリピン航空 ANAとは提携関係
クアラルンプール エアアジア LCC(関西経由)
シンガポール スクート LCC(関西経由)

 フルサービスキャリアのソウルや北京発のホノルル往復のビジネスクラスは需要が高く、高止まりしており、コードシェアなど組み込み、ロードファクターを高める可能性もあります。また、対抗する航空連合が直行便を就航する路線では、挑戦的な運賃を仕掛ける可能性もあり、中国や台湾発券のANAの各クラスの運賃は注目するところであります。また、LCCの代表格のエアアジアが関西経由でホノルルに就航している対策として、クアラルンプール発券のプレミアムエコノミーがエアアジアのビジネスクラスよりも安い設定がされる可能性もあり、来年はマイル修行をする人にとっては面白い年ではないかと思います。

最後に

プレミアムエコノミーの座席数が多いところから、ひも解くとエコノミーからオークションアップグレードによる有償でプレミアムエコノミーへアップグレードしつつ、マネタイズをはかりながら、日本以外の需要も模索しているようです。ANAのダイヤモンド会員であれば、アップグレードや座席指定において、最優先となるため、これほどの座席数がある機材では、海外発券や期間限定のプレミアムエコノミーの運賃でのビジネスクラスへのアップグレード、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードもかなりの確率で行われるのではないかと思います。ANAがジャンボ機を運用していた時代を思い出してしまいます。 

Copyright ©Dangan-Lucky All rights reserved.